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■着ない理由を見つけられなかった
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■着ない理由を見つけられなかった
俺、高見一郎。32歳。会社の階段から落ちたと思えば、異世界転生をしたわけだが……。魔王を倒す勇者系の異世界転生でもなければ、ほっこり異世界珍道中な感じでもなく。どちらかと言えば、ただ俺の願望が叶ったような。現実社会のストレス諸々から買い干され、平和で自由な異世界だったわけだが。だが……!
「う……うぅっ……」
手に持っているのは、ヒラヒラのワンピース一枚。小さい子供からしたら、俺もおじさんと呼ばれてしまうだろうに、ワンピースを着ようとしている。
「絶対色々とアウトだろ、これ……」
チラリと見えたのは、自身の逞しい脚。女の子のようにスラリと柔らかいはずもない、骨の筋と筋肉の溝が見える立派な脚だった。
(ソラは可愛いと言ったが)
「可愛くないだろ」
学生のノリや、忘年会なんかの罰ゲームだ。だが、お願いだと言われ返事をし。俺の意に反して、俺からしたらソラの方が何倍も可愛いのに俺にずっと可愛いと言ってくる。どちらにせよ、一度着ておかないとワンピース問題は解決しないのだ。
(ええい……ままよ!)
腹を括り、着ていた服を脱ぎ。ワンピースに袖を通した。……のだが。
(いや、やっぱ無理だろ!? 色々と! 色々とヤバイ気がする!!)
ソラが可愛いと言ってくれたし、なんて甘い気持ちでワンピースなんて着るんじゃなかった。何とか着れてはいるが、サイズ感がヤバイ。細いウエスト部分はキツいしやっぱり脚元は立派なふくらはぎの存在感が凄い。
(ダイエットしとけば良かった~~!)
なんて後悔をしてしまったが、俺は悪くない。そうだ、ワンピースを着せたソラが悪いんだ。
「あんなに期待してたソラに、こんな姿見られて引かれたら俺の心が持たない」
あ゛ー……と部屋の中を、クルクルと回ってみたが解決策は一つしか無い。
「やっぱりソラに、ワンピースを諦めてもらうしかないな」
嘘を吐くのは心苦しいが、どこかが破れてしまったと言えば仕方ないと納得してくれるだろう。
「ねぇ、高見。着替えた?」
「悪い、もうちょっと待ってくれ」
家の外で、ソラがまるで彼女の試着待ちの彼氏のような会話としてくる。(少しドキドキした)あまり長く待たせるのも、不信がられれる。リタさんのことを思うと破るということは出来ず。ここは、もう明るく「や~~悪い! 入らなかったわ!」と家から出て行くことが最善だろう。
(そうと決まれば、早く脱ぐぞ)
よし! と肩を動かし。せっかく着たキツキツのワンピースを脱ごうとした時だった。天井が、一気に明るくなった。
「へ?」
「あ! 高見。ワンピース着てる!」
「お、おまっ……ソラ!!」
天井を取られ、現れた大きな顏。もう着ていませんの手も使えず、俺はただ恥ずかしさを誤魔化すように「ズルいぞ!」と叫ぶしか出来なかった。
「俺が出る前に天井から覗くなんて、ズルいぞ! そ、ソラのスケベ!!」
「スケベの意味は分からないけど、高見が遅かったから……つい」
(んあ~! こういう時だけ言葉が通じないのかよ!)
と追加で心の中で叫びながら、俺はしぶしぶ天井が取られた家を出て、ソラの前に現れたのだった。
******
繁忙と、ネタが詰んだので暫く更新止まるかもしれません><
俺、高見一郎。32歳。会社の階段から落ちたと思えば、異世界転生をしたわけだが……。魔王を倒す勇者系の異世界転生でもなければ、ほっこり異世界珍道中な感じでもなく。どちらかと言えば、ただ俺の願望が叶ったような。現実社会のストレス諸々から買い干され、平和で自由な異世界だったわけだが。だが……!
「う……うぅっ……」
手に持っているのは、ヒラヒラのワンピース一枚。小さい子供からしたら、俺もおじさんと呼ばれてしまうだろうに、ワンピースを着ようとしている。
「絶対色々とアウトだろ、これ……」
チラリと見えたのは、自身の逞しい脚。女の子のようにスラリと柔らかいはずもない、骨の筋と筋肉の溝が見える立派な脚だった。
(ソラは可愛いと言ったが)
「可愛くないだろ」
学生のノリや、忘年会なんかの罰ゲームだ。だが、お願いだと言われ返事をし。俺の意に反して、俺からしたらソラの方が何倍も可愛いのに俺にずっと可愛いと言ってくる。どちらにせよ、一度着ておかないとワンピース問題は解決しないのだ。
(ええい……ままよ!)
腹を括り、着ていた服を脱ぎ。ワンピースに袖を通した。……のだが。
(いや、やっぱ無理だろ!? 色々と! 色々とヤバイ気がする!!)
ソラが可愛いと言ってくれたし、なんて甘い気持ちでワンピースなんて着るんじゃなかった。何とか着れてはいるが、サイズ感がヤバイ。細いウエスト部分はキツいしやっぱり脚元は立派なふくらはぎの存在感が凄い。
(ダイエットしとけば良かった~~!)
なんて後悔をしてしまったが、俺は悪くない。そうだ、ワンピースを着せたソラが悪いんだ。
「あんなに期待してたソラに、こんな姿見られて引かれたら俺の心が持たない」
あ゛ー……と部屋の中を、クルクルと回ってみたが解決策は一つしか無い。
「やっぱりソラに、ワンピースを諦めてもらうしかないな」
嘘を吐くのは心苦しいが、どこかが破れてしまったと言えば仕方ないと納得してくれるだろう。
「ねぇ、高見。着替えた?」
「悪い、もうちょっと待ってくれ」
家の外で、ソラがまるで彼女の試着待ちの彼氏のような会話としてくる。(少しドキドキした)あまり長く待たせるのも、不信がられれる。リタさんのことを思うと破るということは出来ず。ここは、もう明るく「や~~悪い! 入らなかったわ!」と家から出て行くことが最善だろう。
(そうと決まれば、早く脱ぐぞ)
よし! と肩を動かし。せっかく着たキツキツのワンピースを脱ごうとした時だった。天井が、一気に明るくなった。
「へ?」
「あ! 高見。ワンピース着てる!」
「お、おまっ……ソラ!!」
天井を取られ、現れた大きな顏。もう着ていませんの手も使えず、俺はただ恥ずかしさを誤魔化すように「ズルいぞ!」と叫ぶしか出来なかった。
「俺が出る前に天井から覗くなんて、ズルいぞ! そ、ソラのスケベ!!」
「スケベの意味は分からないけど、高見が遅かったから……つい」
(んあ~! こういう時だけ言葉が通じないのかよ!)
と追加で心の中で叫びながら、俺はしぶしぶ天井が取られた家を出て、ソラの前に現れたのだった。
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