魔族皇女は美の殿堂に輝く(仮)
皇女殿下ヘルティーネ様は最近、よく仰られる。「親善大使としてオスロニア新興国へ行ってやってもよい」と。むろん、それは口実。真の目的は温泉で癒されることだ。人類史に刻まれる美貌を生まれ持ち、あくなき美の探究者でもあられる姫殿下は、国民的カリスマとして絶大な支持を得ている。品行方正、文武両道、まさに絵にかいた2.5次元。非の打ち所がない姫様を、民は美の象徴、プリマステラと呼ぶ。しかし、お年頃ゆえに悩みも多い。四六時中、周囲に気をくばれば、そりゃ~人格もゆが……対人関係に悩むわけだ。そこにきて縁談の話が出てきた。いささか早い気もするが、給仕長の婆がプレッシャーという名の邪気を放ってくる。しかも、ダダをこねる姫様を説得しようとしたワシに特使としてオスロニア新興国に出向くよう勅命が下った。そういえば我が王は重度のモンペだった。娘、可愛さに縁談相手を始末しろなんてお便りも寄こしてこられた。皇女殿下とのわかれを惜しむのも束の間、特務を受けたワシはオスロニア上空を飛んでいた。しかし、そこで目にしたものは、空中を飛び交うオスロニア竜騎兵団と我々の想像を遥かに超えた怪物の姿だった。すでに始まっていたオスロニアの戦に我々も巻き込まれてしまう。さらに悪いことに姫殿下がこっそりと戦艦に忍び込んでいたことが発覚する。最悪を回避するため、我々は死に物狂いで主砲を放つのだが―――戦闘終了後、ワシの胃袋をさらに破壊する、本当の「理不尽な地獄」が幕を開ける!
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