まだ名前のない輪郭で ― バイオレンス編【連作断章】
ねぇ、あなたは、
ふれなかった温度のことを、覚えてる?
声をかける前に、言葉が失われて、
目を合わせる前に、まなざしがかすれていって、
名を呼ぶ前に、輪郭があとずさっていた。
なにひとつ壊していないのに、
なにも起きなかった午後だけが、
なぜか、いちばん深く沈んでいる。
——これは、暴力の話じゃない。
でもきっと、暴力よりも静かに痛む何かの話。
触れずに、削れていくわたしたちの
「まだ名前のない輪郭」へ。
ふれなかった温度のことを、覚えてる?
声をかける前に、言葉が失われて、
目を合わせる前に、まなざしがかすれていって、
名を呼ぶ前に、輪郭があとずさっていた。
なにひとつ壊していないのに、
なにも起きなかった午後だけが、
なぜか、いちばん深く沈んでいる。
——これは、暴力の話じゃない。
でもきっと、暴力よりも静かに痛む何かの話。
触れずに、削れていくわたしたちの
「まだ名前のない輪郭」へ。
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◇全22話。一日二話投稿(投稿予約済み)
◇ コメント欄にて様々なご意見・ご感想をいただきありがとうございます。本作はすでに最後まで執筆済みのため、いただいたご意見によって今後の展開が変わることはございませんが、ひとつひとつ大切に拝読しております。それぞれ感じ方の分かれる物語かと思いますが、最後まで見守っていただけましたら嬉しいです。