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隠れキャラ?それとも…
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チリンチリン
「やっぱりここに居ましたわ」
「ミーナ!今日デートじゃなかったの?」
「デートですわよ。ジル様が外で食べるならサム様の作った食事が良いと仰っいましたの」
「さぁ、入って~」
「マールも誘って参りましたわ」
「デートだったんだよね?」
「観劇を見て来ましたの。今度サム様と行かれては?」
「ムリムリ!私達は寝ちゃうよ~。マールも早く入って~」
「ケニー様はいつもお一人だけで此方に来て狡いですわ。私ももっとキャリーにお会いしたいのに」
「ケイニーク様は騎士の方達と来るし、後はサムと話してばっかりだよ?」
「その間、私はキャリーとお話したいですわ」
「じゃあ今日はいっぱい話そ」
「ええ」
ジルベーク様が最後に入って来た。
「王太子殿下、仕事は終わりましたか?」
「ジル! 仕事は終わらせて来た。ここに来てまで王太子はやめてよ~」
「それもそうですね」
「おい、ジル!お前も食べるだろ?」
「ああ、今日は昼抜いたから」
「お前もか」
「そりゃあ、ジルが昼ご飯食べさせてくれなかったからね。ジルだけ食べてたら流石に俺だって怒るよ」
「何でもいいか?」
「ああ、頼む」
サムは男性陣のガッツリご飯を作って、女性陣はサンドイッチを作ってくれて、皆んなで食べた。 食べ終わり、サムとケイニーク様は二人で外ヘ食後の鍛錬をしに行った。
セドリック様はエスの隣にジルベーク様はミーナの隣に座って私とマールが隣に座り話をしてます。
「そういえば隣国は今大変らしいよ」
「そうなの?」
「キャロラインと同じで平民から貴族になった男爵令嬢でさ、高位貴族の令息達から王太子まで虜にしちゃって、王太子が率先して婚約破棄しちゃったから高位貴族の令息達も続いて婚約破棄したらしい」
「貴族ってそんなに平民から貴族になるものなの?」
「そうですわね。貴族は政略結婚ですもの。愛人を作る方は多いですわ。平民や娼館の娼婦を愛人に致しますの。奥様を追い出して愛人を奥様になさる方もおりますわ」
「そうなんだ」
「多分その令嬢も愛人の子なんだろうね。俺もだけど、王子や高位貴族の令息は他の貴族に弱みを見せず常に気を張ってる。だから平民出の貴族は良く言えば素直だし、悪く言えば馬鹿。それでも常に周りにいる者達と違い新鮮に感じる」
「高位令嬢もですわ」
「そうだね。俺達は産まれた時から王子として貴族として育てられるからね。他人を信じられない所があると思う。例え婚約者であってもね」
「そうですわね。婚約者であっても自分を見せず仮面を被りますわ」
「ああ。だから余計に新鮮だったんだろうね」
「マールやケイニーク様の様に恋愛結婚なんてありえませんもの」
「でもそれが貴族なんでしょ?家の為の結婚。それだって子供の頃から教えられてるんじゃないの?」
「そうだね。それでも婚約者以外に好意を抱くのは仕方ない事だ」
「でもそれって結局浮気じゃん。好意を持った段階で婚約を白紙にするとか手は合ったよね? 例え綺麗事言っても結局は、浮気しました、婚約破棄してって言ってるものでしょ? 馬鹿じゃないの?」
「本当にそうだよ。俺とティーヌだってキャロラインが居なかったら公の場だけの夫婦になってただろう。ティーヌの気持ちも分かろうとせず、歩み寄ろうともせずお互い歪みあっていたと思う。でも俺達にはキャロラインが居た。だが隣国にはキャロラインの様な存在が居ないから今大変なんだろうね」
「私はエスに助言しただけ。それを実行して頑張ったのはエスだよ。それと、それに答えたセドリック様だよ。私はただ背中を押しただけ。誰だって婚約者と仲良くなりたいって思ってると思う。皆んな背中を押して貰えれば歩み寄れるし、心を通わせれると思うの。貴族としての嗜み?で覆われてるけど、覆われてる中身は人でしょ? 人を思うのも動かすのも心だよ?」
「ああ。今はティーヌを心から愛してる」
「わたくしもセディーを心から愛してますわ」
「ねぇねぇ、それで王太子や令息達はどうなったの?」
「王太子は幽閉。令息達は平民に落とされたよ」
「男爵令嬢は?」
「処刑された。最後まで私はヒロインなのにって叫んでたらしいよ」
「へ?」
あれ、隠れキャラは隣国の王子かと思ってたけど、違ったの?
隣国は隣国の乙女ゲームの世界だったのかな~? 処刑されたって事は漫画の世界?
自分の立場を知って、高望みせず身分相応に暮らしてたなら処刑されずにすんだのに。
やっぱりヒロインはお馬鹿でお花畑の頭なんだね。
END
つたない文章ですが、最後まで読んで頂きありがとうございました。 この話で完結ですが、個人的にどうしてもその後の話を書きたくて、その後の話も書きました。 読んでも読まなくてもどっちでもいい話ではありますが、読んで頂けると幸いです。
「やっぱりここに居ましたわ」
「ミーナ!今日デートじゃなかったの?」
「デートですわよ。ジル様が外で食べるならサム様の作った食事が良いと仰っいましたの」
「さぁ、入って~」
「マールも誘って参りましたわ」
「デートだったんだよね?」
「観劇を見て来ましたの。今度サム様と行かれては?」
「ムリムリ!私達は寝ちゃうよ~。マールも早く入って~」
「ケニー様はいつもお一人だけで此方に来て狡いですわ。私ももっとキャリーにお会いしたいのに」
「ケイニーク様は騎士の方達と来るし、後はサムと話してばっかりだよ?」
「その間、私はキャリーとお話したいですわ」
「じゃあ今日はいっぱい話そ」
「ええ」
ジルベーク様が最後に入って来た。
「王太子殿下、仕事は終わりましたか?」
「ジル! 仕事は終わらせて来た。ここに来てまで王太子はやめてよ~」
「それもそうですね」
「おい、ジル!お前も食べるだろ?」
「ああ、今日は昼抜いたから」
「お前もか」
「そりゃあ、ジルが昼ご飯食べさせてくれなかったからね。ジルだけ食べてたら流石に俺だって怒るよ」
「何でもいいか?」
「ああ、頼む」
サムは男性陣のガッツリご飯を作って、女性陣はサンドイッチを作ってくれて、皆んなで食べた。 食べ終わり、サムとケイニーク様は二人で外ヘ食後の鍛錬をしに行った。
セドリック様はエスの隣にジルベーク様はミーナの隣に座って私とマールが隣に座り話をしてます。
「そういえば隣国は今大変らしいよ」
「そうなの?」
「キャロラインと同じで平民から貴族になった男爵令嬢でさ、高位貴族の令息達から王太子まで虜にしちゃって、王太子が率先して婚約破棄しちゃったから高位貴族の令息達も続いて婚約破棄したらしい」
「貴族ってそんなに平民から貴族になるものなの?」
「そうですわね。貴族は政略結婚ですもの。愛人を作る方は多いですわ。平民や娼館の娼婦を愛人に致しますの。奥様を追い出して愛人を奥様になさる方もおりますわ」
「そうなんだ」
「多分その令嬢も愛人の子なんだろうね。俺もだけど、王子や高位貴族の令息は他の貴族に弱みを見せず常に気を張ってる。だから平民出の貴族は良く言えば素直だし、悪く言えば馬鹿。それでも常に周りにいる者達と違い新鮮に感じる」
「高位令嬢もですわ」
「そうだね。俺達は産まれた時から王子として貴族として育てられるからね。他人を信じられない所があると思う。例え婚約者であってもね」
「そうですわね。婚約者であっても自分を見せず仮面を被りますわ」
「ああ。だから余計に新鮮だったんだろうね」
「マールやケイニーク様の様に恋愛結婚なんてありえませんもの」
「でもそれが貴族なんでしょ?家の為の結婚。それだって子供の頃から教えられてるんじゃないの?」
「そうだね。それでも婚約者以外に好意を抱くのは仕方ない事だ」
「でもそれって結局浮気じゃん。好意を持った段階で婚約を白紙にするとか手は合ったよね? 例え綺麗事言っても結局は、浮気しました、婚約破棄してって言ってるものでしょ? 馬鹿じゃないの?」
「本当にそうだよ。俺とティーヌだってキャロラインが居なかったら公の場だけの夫婦になってただろう。ティーヌの気持ちも分かろうとせず、歩み寄ろうともせずお互い歪みあっていたと思う。でも俺達にはキャロラインが居た。だが隣国にはキャロラインの様な存在が居ないから今大変なんだろうね」
「私はエスに助言しただけ。それを実行して頑張ったのはエスだよ。それと、それに答えたセドリック様だよ。私はただ背中を押しただけ。誰だって婚約者と仲良くなりたいって思ってると思う。皆んな背中を押して貰えれば歩み寄れるし、心を通わせれると思うの。貴族としての嗜み?で覆われてるけど、覆われてる中身は人でしょ? 人を思うのも動かすのも心だよ?」
「ああ。今はティーヌを心から愛してる」
「わたくしもセディーを心から愛してますわ」
「ねぇねぇ、それで王太子や令息達はどうなったの?」
「王太子は幽閉。令息達は平民に落とされたよ」
「男爵令嬢は?」
「処刑された。最後まで私はヒロインなのにって叫んでたらしいよ」
「へ?」
あれ、隠れキャラは隣国の王子かと思ってたけど、違ったの?
隣国は隣国の乙女ゲームの世界だったのかな~? 処刑されたって事は漫画の世界?
自分の立場を知って、高望みせず身分相応に暮らしてたなら処刑されずにすんだのに。
やっぱりヒロインはお馬鹿でお花畑の頭なんだね。
END
つたない文章ですが、最後まで読んで頂きありがとうございました。 この話で完結ですが、個人的にどうしてもその後の話を書きたくて、その後の話も書きました。 読んでも読まなくてもどっちでもいい話ではありますが、読んで頂けると幸いです。
応援ありがとうございます!
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