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ヒロイン回避、できました
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チリンチリン
「いらっしゃいませ~」
「キャリー!」
「エス!」
「また来てしまいましたわ」
「王太子妃が何度もお忍びで王宮出てバレないの?」
エスはセドリック王太子と結婚し、王太子妃となって今は王宮で暮らしている。
「今日もセディー様と一緒ですもの。大丈夫ですわ」
「二人して… さぁ、座って」
セドリック様も後から入って来て、
「サム、ただいま!」
「ただいまじゃねぇよ! リック、来すぎじゃねぇ?王太子の仕事してんのか?」
「きちんとしてから来たよ~」
何度もお忍びで来るセドリック様とエスは今では常連さん?って言っていい程。サムも初めは丁寧に話してたんだけど、ある時、面倒になって普通に話したらセドリック様は喜び、この食堂の中だけでは友達?みたいな関係になった。 今では、サム、リックと呼び合ってる。
「キャリー今日はもう看板下げよう」
「分かった。休業中の札出してくるね」
二人が来た時は所謂、貸し切り状態にするの。二人も他のお客さんが居なくなってからしか来ないし。
「サム、お客さん増えちゃった!」
「はぁ~?」
「待て待て俺は王太子の護衛だ!」
「ニークか。お前も大変だな!」
「分かってくれるのはサムだけだよ」
「ニーク、いつものか?」
「ああ、頼む。腹減ったよ」
「直ぐ作るから待ってろ」
ケイニーク様はセドリック様、王太子殿下の護衛になり、二人に付き合ってよく食堂に来るんだけど、ケイニーク様は他の騎士の方達とお昼にちょくちょく食べに来てくれるの。元々、この食堂は騎士団の騎士の方達が良く食べに来るから、サムもケイニーク様には元々普通に話してたの。 今では二人共、筋肉自慢をしだす程仲が良くなった。 ケイニーク様の鍛錬を見せて貰ってからサムまで鍛錬を欠かさずする様になって、逞しい胸にスリスリしちゃう程。 でも、騎士でもないのに剣を振るう必要あるのかな~? まぁ、逞しい胸が維持できるなら構わないけど! このままだと今日も二人して外で剣を振るうんだろうな~。
「サム、俺の分も作って~。俺もお腹すいたよ~」
「リックもいつものか?」
「それでお願い。今日はちょっと量多くして!」
「また昼抜いたのか?」
「食べる暇がなかったんだよ。ジルが次から次へと書類持ってくるから」
「ジルベーク様は今日ミーナとデートって仰ってらしたの」
「だからって俺に皺寄せしなくてもいいと思わない?」
「セディー様も今わたくしとデートしておりますわよ」
「俺はティーヌと二人きりでデートしたい」
「でしたら、これからはわたくし一人でキャリーの所に来ますわ」
「それは駄目!!」
「でしたら今日もデートですわ」
「食事しに来たんじゃないのかな?」
「食事というデートですわ」
「分かった。じゃあ今度は二人で出掛けよう」
「嬉しいですわ」
「あ~抱きしめたい」
「もう!セディー様ったら」
「二人仲良いね!」
「キャリーのお陰よ。わたくしを叱ってくれたから」
「私、エスと友達になれて良かった~」
「わたくしもですわ」
私は私の為に助言をしただけ。
対象者と接点を持たない為。 対象者と婚約者を仲良くさせて、死亡フラグにならない為。 乙女ゲームや漫画のヒロインみたいにならない為。
回避できたから、本当に好きな人、サムと結婚出来たし、身分を気にしなくても付き合える友達が出来た。 旦那さん同士も仲が良くなり夫婦同伴で会って話す事が出来る。
食堂の狭い空間の中だけだけど、身分は平等。そこに大事な友と気の許せる仲間達。 笑ったり、愚痴を言ったり、気兼ねなく話したり、自分をさらけ出せる、ホッと息の抜けるそんな温かい空間。
私は乙女ゲームのヒロインなのかも知れないけど、ただヒロインと同じ名前だっただけ! それに私、ヒロインになりたい訳でもないし! 王子や令息を手玉に取る?魅力する?そんな事出来ないし! もし転生チートで出来るって言われてもしないし! 平民で育ったなら平民で生きるのが一番!
私は物語のヒロインじゃない!
キャロラインっていう一人の人間!
今生きてるこの世界で、私はこの食堂を、友と過ごせる、ひとときの空間をこれからも護っていこうと思う。
乙女ゲームや漫画の世界のヒロインを回避して皆んなが幸せになったんだから、このくらいのご褒美、貰ってもいいよね?
「いらっしゃいませ~」
「キャリー!」
「エス!」
「また来てしまいましたわ」
「王太子妃が何度もお忍びで王宮出てバレないの?」
エスはセドリック王太子と結婚し、王太子妃となって今は王宮で暮らしている。
「今日もセディー様と一緒ですもの。大丈夫ですわ」
「二人して… さぁ、座って」
セドリック様も後から入って来て、
「サム、ただいま!」
「ただいまじゃねぇよ! リック、来すぎじゃねぇ?王太子の仕事してんのか?」
「きちんとしてから来たよ~」
何度もお忍びで来るセドリック様とエスは今では常連さん?って言っていい程。サムも初めは丁寧に話してたんだけど、ある時、面倒になって普通に話したらセドリック様は喜び、この食堂の中だけでは友達?みたいな関係になった。 今では、サム、リックと呼び合ってる。
「キャリー今日はもう看板下げよう」
「分かった。休業中の札出してくるね」
二人が来た時は所謂、貸し切り状態にするの。二人も他のお客さんが居なくなってからしか来ないし。
「サム、お客さん増えちゃった!」
「はぁ~?」
「待て待て俺は王太子の護衛だ!」
「ニークか。お前も大変だな!」
「分かってくれるのはサムだけだよ」
「ニーク、いつものか?」
「ああ、頼む。腹減ったよ」
「直ぐ作るから待ってろ」
ケイニーク様はセドリック様、王太子殿下の護衛になり、二人に付き合ってよく食堂に来るんだけど、ケイニーク様は他の騎士の方達とお昼にちょくちょく食べに来てくれるの。元々、この食堂は騎士団の騎士の方達が良く食べに来るから、サムもケイニーク様には元々普通に話してたの。 今では二人共、筋肉自慢をしだす程仲が良くなった。 ケイニーク様の鍛錬を見せて貰ってからサムまで鍛錬を欠かさずする様になって、逞しい胸にスリスリしちゃう程。 でも、騎士でもないのに剣を振るう必要あるのかな~? まぁ、逞しい胸が維持できるなら構わないけど! このままだと今日も二人して外で剣を振るうんだろうな~。
「サム、俺の分も作って~。俺もお腹すいたよ~」
「リックもいつものか?」
「それでお願い。今日はちょっと量多くして!」
「また昼抜いたのか?」
「食べる暇がなかったんだよ。ジルが次から次へと書類持ってくるから」
「ジルベーク様は今日ミーナとデートって仰ってらしたの」
「だからって俺に皺寄せしなくてもいいと思わない?」
「セディー様も今わたくしとデートしておりますわよ」
「俺はティーヌと二人きりでデートしたい」
「でしたら、これからはわたくし一人でキャリーの所に来ますわ」
「それは駄目!!」
「でしたら今日もデートですわ」
「食事しに来たんじゃないのかな?」
「食事というデートですわ」
「分かった。じゃあ今度は二人で出掛けよう」
「嬉しいですわ」
「あ~抱きしめたい」
「もう!セディー様ったら」
「二人仲良いね!」
「キャリーのお陰よ。わたくしを叱ってくれたから」
「私、エスと友達になれて良かった~」
「わたくしもですわ」
私は私の為に助言をしただけ。
対象者と接点を持たない為。 対象者と婚約者を仲良くさせて、死亡フラグにならない為。 乙女ゲームや漫画のヒロインみたいにならない為。
回避できたから、本当に好きな人、サムと結婚出来たし、身分を気にしなくても付き合える友達が出来た。 旦那さん同士も仲が良くなり夫婦同伴で会って話す事が出来る。
食堂の狭い空間の中だけだけど、身分は平等。そこに大事な友と気の許せる仲間達。 笑ったり、愚痴を言ったり、気兼ねなく話したり、自分をさらけ出せる、ホッと息の抜けるそんな温かい空間。
私は乙女ゲームのヒロインなのかも知れないけど、ただヒロインと同じ名前だっただけ! それに私、ヒロインになりたい訳でもないし! 王子や令息を手玉に取る?魅力する?そんな事出来ないし! もし転生チートで出来るって言われてもしないし! 平民で育ったなら平民で生きるのが一番!
私は物語のヒロインじゃない!
キャロラインっていう一人の人間!
今生きてるこの世界で、私はこの食堂を、友と過ごせる、ひとときの空間をこれからも護っていこうと思う。
乙女ゲームや漫画の世界のヒロインを回避して皆んなが幸せになったんだから、このくらいのご褒美、貰ってもいいよね?
応援ありがとうございます!
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