不来方の懐刀
〝さっこら ちょいわやっせ 〟
大人達が腹に乗せた太鼓を撥で叩きながら唱えた。幸呼来、すなわち鬼が去り幸せよ再びやって来いという悪い羅刹鬼を追い払った神様への感謝の言霊だった。以来、この地は「不来方」と言われるようになった。その村に、彦太郎が生まれた。五歳になった御祝いに、父から小刀を貰った。
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