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積み残し編……もうちょっと続くんじゃよ
未開地
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前回盗賊討伐をしたルートは魔物が少なかったので、今回は魔物が現れそうな西の海沿いルートで北上することにした。
途中、リンの実家であるヒメカワ伯爵の治める街を遠目に見ながら進んでいく。
「あそこがうちの実家の領地の中心よ」
「へぇ……領地とかあるんだね」
「アルマン教国の貴族は全員領地を持ってるわよ? レオも近々下賜されると思うわよ」
「え……」
要らないんですけど……
領地経営とか俺には出来ません。
頑張って小さな農村の村長さんが精々だと思います!
「嫌そうね……でも法だから諦めなさい」
「いやいや……俺が領主? 衰退の未来しか存在しないよ?」
「大丈夫よ。領地経営は代官に任せてレオはトップに座っていれば何とかなるから。代官とかはヒメカワ家やライノス家から派遣されるだろうしね」
任せて……いいの?
「そうですね。そのための貴族の婚姻制度と言っても過言はありません。レオ様は堂々としていて下されば大丈夫ですよ」
「とは言ってもなぁ……」
偉そうに座ってるだけとか性にあわない。
なにかしらはやりたいところだけど……
「それでしたら、野盗討伐であったり率先して魔物討伐を行ったり……力を示すことも大切ですのでレオ様はそちらで活躍して頂ければ」
「そうね。レオが先頭に立ってそういう活動をすれば自然と領民はついてくるようになるわよ」
「それくらいなら出来そうかな?」
戦闘なら……
失ったレベルも上げ直したいしそれくらいなら出来そうだ。
「旦那様、魔物の集団が」
そんなことを話していると、今日も助手席をキープしているベラが魔物を発見したようだ。
「狩ろうか」
「ダメよ。ここはヒメカワ家の領都の近く、あれを狩るのはヒメカワの街の冒険者の仕事よ。レオが冒険者の仕事を奪うのは感心しないわね」
「なるほど」
どうしても狩りたいならヒメカワの街に行って冒険者ギルドで依頼を受けないといけないのか。
「もうしばらく進んだら大きな渓谷があるの。そこを超えたらヒメカワ領を抜けるから、その先なら好きに狩ってもいいわよ」
「そこは誰かの領地じゃないのか?」
「はい。ヒメカワ領の北は未開地ですね。おそらくレオ様に下賜される領地はそこになるかと」
未開地貰ってどうしろと……
まぁレベル上げするにはいい土地なのかな?
「そうだ、レオは海産物好きよね? ヒメカワ領は海に面してるから海産物が有名なのよ。今度行ってみる?」
「行く」
そんな誘い断るはずがない。
「帝国料理の料理人も多いし、レオには後悔させないわよ」
「楽しみしかない」
和食……帝国料理と新鮮な魚介類の組み合わせとか行くしか無いだろ。
ヒメカワ領の北の未開地を貰えるなら通うよ?
新たな楽しみを得て気分良く進んでいくと、30分ほどでリンの言っていた領地の境目が見えてきた。
「でっかい渓谷だな……これって名前とかあるの?」
「名前? 渓谷に? そんなの無いわよ」
無いのか……
そういえばこの世界に来て〇〇渓谷とか〇〇山脈とか聞いたことないな。
「レオ様、どうやって超えるの?」
「ウルト、超えれるのか?」
イリアーナがどうやって超えるのか聞いてくるが俺にはわからない。
俺1人なら【天駆】で簡単に超えられるけど……
『問題ありません。お任せ下さい』
ウルトはそのまま渓谷へ向けてまっすぐ進む。
傍から見ればただの自殺かチキンレースでしかない。
「ちょ! マジか!?」
「レオ様!」
前に座っているベラとアンナはシートベルトを外そうとガチャガチャし始める。
後ろに乗っている他のよめーずは俺に抱き着いてくる。
役得役得。
『飛びます』
なんの躊躇いもなしに崖へと侵入、落ちることを覚悟したが落下することはなくウルトはそのまま空中を駆けて行く。
『【飛翔走】です。数キロ程度であれば私は空を駆けることが可能です』
「先に言えよ!?」
『ご存知かと』
ご存知じゃないです。
まぁなんにせよ……問題無く行けるのであればそれでいい。
未開地とやらに入ったので魔物はサーチアンドデストロイだ。
「ここも海に面してるんだな」
「まぁ海に面したヒメカワ領のすぐ隣だから当たり前よね」
「そうですね……」
西側に海を眺めながら北上、綺麗な砂浜も確認出来た。
「レオさん、魔物発見ッス!」
「旦那様、あれはゴブリンでしょうか?」
前に座る2人からの見敵報告、そちらを見るとパッと見ゴブリンだが何かが違うゴブリンが数匹で固まって行動していた。
「なんだあれ? ゴブリンの亜種か?」
「あれは……ゴブリンメイジとゴブリンプリーストね。メイジは低級の火魔法を、プリーストは低級の治癒魔法を使えるわ」
へぇ、ゴブリンメイジはなんかの作品で見たことあるけどプリーストは聞いたことがないな。
ゴブリンシャーマンなら聞いたことある。
「見敵必殺、ウルト突撃だ」
『かしこまりました』
俺の命令でウルトは加速、ゴブリンメイジたちに突っ込み全てを撥ね飛ばした。
『殲滅完了です』
「ご苦労さま」
見るに堪えない轢死体を【無限積載】に積み込む。
今度釣りをする時にでも海に撒いてみようかな?
「レオ、スキルは良かったの?」
「スキル? ああ、忘れてた……」
【理外】では無くなった今、所持していないスキルは使えない。
厳密には魔力の流れを再現出来ればスキルは必要ないが非常に繊細な魔力コントロールが必要となる。
そのため強欲の剣を使ってのスキル集めは必須といえる。
『ゴブリンメイジからは【魔法適性火】ゴブリンプリーストからは【魔法適性光】が取得可能です』
「両方持ってるな。なら必要ないな」
たとえ持っていなくてもまた探せばいいだけだ。
そうやって魔物を狩りながらのんびりと未開地を進んでいく。
途中、リンの実家であるヒメカワ伯爵の治める街を遠目に見ながら進んでいく。
「あそこがうちの実家の領地の中心よ」
「へぇ……領地とかあるんだね」
「アルマン教国の貴族は全員領地を持ってるわよ? レオも近々下賜されると思うわよ」
「え……」
要らないんですけど……
領地経営とか俺には出来ません。
頑張って小さな農村の村長さんが精々だと思います!
「嫌そうね……でも法だから諦めなさい」
「いやいや……俺が領主? 衰退の未来しか存在しないよ?」
「大丈夫よ。領地経営は代官に任せてレオはトップに座っていれば何とかなるから。代官とかはヒメカワ家やライノス家から派遣されるだろうしね」
任せて……いいの?
「そうですね。そのための貴族の婚姻制度と言っても過言はありません。レオ様は堂々としていて下されば大丈夫ですよ」
「とは言ってもなぁ……」
偉そうに座ってるだけとか性にあわない。
なにかしらはやりたいところだけど……
「それでしたら、野盗討伐であったり率先して魔物討伐を行ったり……力を示すことも大切ですのでレオ様はそちらで活躍して頂ければ」
「そうね。レオが先頭に立ってそういう活動をすれば自然と領民はついてくるようになるわよ」
「それくらいなら出来そうかな?」
戦闘なら……
失ったレベルも上げ直したいしそれくらいなら出来そうだ。
「旦那様、魔物の集団が」
そんなことを話していると、今日も助手席をキープしているベラが魔物を発見したようだ。
「狩ろうか」
「ダメよ。ここはヒメカワ家の領都の近く、あれを狩るのはヒメカワの街の冒険者の仕事よ。レオが冒険者の仕事を奪うのは感心しないわね」
「なるほど」
どうしても狩りたいならヒメカワの街に行って冒険者ギルドで依頼を受けないといけないのか。
「もうしばらく進んだら大きな渓谷があるの。そこを超えたらヒメカワ領を抜けるから、その先なら好きに狩ってもいいわよ」
「そこは誰かの領地じゃないのか?」
「はい。ヒメカワ領の北は未開地ですね。おそらくレオ様に下賜される領地はそこになるかと」
未開地貰ってどうしろと……
まぁレベル上げするにはいい土地なのかな?
「そうだ、レオは海産物好きよね? ヒメカワ領は海に面してるから海産物が有名なのよ。今度行ってみる?」
「行く」
そんな誘い断るはずがない。
「帝国料理の料理人も多いし、レオには後悔させないわよ」
「楽しみしかない」
和食……帝国料理と新鮮な魚介類の組み合わせとか行くしか無いだろ。
ヒメカワ領の北の未開地を貰えるなら通うよ?
新たな楽しみを得て気分良く進んでいくと、30分ほどでリンの言っていた領地の境目が見えてきた。
「でっかい渓谷だな……これって名前とかあるの?」
「名前? 渓谷に? そんなの無いわよ」
無いのか……
そういえばこの世界に来て〇〇渓谷とか〇〇山脈とか聞いたことないな。
「レオ様、どうやって超えるの?」
「ウルト、超えれるのか?」
イリアーナがどうやって超えるのか聞いてくるが俺にはわからない。
俺1人なら【天駆】で簡単に超えられるけど……
『問題ありません。お任せ下さい』
ウルトはそのまま渓谷へ向けてまっすぐ進む。
傍から見ればただの自殺かチキンレースでしかない。
「ちょ! マジか!?」
「レオ様!」
前に座っているベラとアンナはシートベルトを外そうとガチャガチャし始める。
後ろに乗っている他のよめーずは俺に抱き着いてくる。
役得役得。
『飛びます』
なんの躊躇いもなしに崖へと侵入、落ちることを覚悟したが落下することはなくウルトはそのまま空中を駆けて行く。
『【飛翔走】です。数キロ程度であれば私は空を駆けることが可能です』
「先に言えよ!?」
『ご存知かと』
ご存知じゃないです。
まぁなんにせよ……問題無く行けるのであればそれでいい。
未開地とやらに入ったので魔物はサーチアンドデストロイだ。
「ここも海に面してるんだな」
「まぁ海に面したヒメカワ領のすぐ隣だから当たり前よね」
「そうですね……」
西側に海を眺めながら北上、綺麗な砂浜も確認出来た。
「レオさん、魔物発見ッス!」
「旦那様、あれはゴブリンでしょうか?」
前に座る2人からの見敵報告、そちらを見るとパッと見ゴブリンだが何かが違うゴブリンが数匹で固まって行動していた。
「なんだあれ? ゴブリンの亜種か?」
「あれは……ゴブリンメイジとゴブリンプリーストね。メイジは低級の火魔法を、プリーストは低級の治癒魔法を使えるわ」
へぇ、ゴブリンメイジはなんかの作品で見たことあるけどプリーストは聞いたことがないな。
ゴブリンシャーマンなら聞いたことある。
「見敵必殺、ウルト突撃だ」
『かしこまりました』
俺の命令でウルトは加速、ゴブリンメイジたちに突っ込み全てを撥ね飛ばした。
『殲滅完了です』
「ご苦労さま」
見るに堪えない轢死体を【無限積載】に積み込む。
今度釣りをする時にでも海に撒いてみようかな?
「レオ、スキルは良かったの?」
「スキル? ああ、忘れてた……」
【理外】では無くなった今、所持していないスキルは使えない。
厳密には魔力の流れを再現出来ればスキルは必要ないが非常に繊細な魔力コントロールが必要となる。
そのため強欲の剣を使ってのスキル集めは必須といえる。
『ゴブリンメイジからは【魔法適性火】ゴブリンプリーストからは【魔法適性光】が取得可能です』
「両方持ってるな。なら必要ないな」
たとえ持っていなくてもまた探せばいいだけだ。
そうやって魔物を狩りながらのんびりと未開地を進んでいく。
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