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くだらない人生だったな

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俺、佐々部壱(ささべいち)は恵まれていない。
母と父は早くに亡くなり、渋々引き取られた従兄弟の家では邪魔者、最早空気。
学校では鉄板の机の上に落書き、ゴミは日常。便所飯は流石にきついので誰も来ない旧校舎で一人飯。廊下を歩けばありもしない噂を流される。でもそんなのどうでも良かった。ある日ふと、直接言われたのだ。
「死ね」
と。確かに、教科書にもノートにもなんにだって死ね、と書かれた。が直接言われたのは初めてだったのだ。どうせみんなノリで、もう戻れないからって勢いで書いてるのかと思ってたから。
だからそいつが、真顔でガチの声で俺に
「死ね」
と言われた時何かが壊れたのだ。
そして何かが切れたからその次の日に黒板に平仮名ででかく
〚しね〛
と、書いて家にもうマッキーでテーブルに同じことした。どうせなら最後まで恨まれてやろう。
そして誰もいないところでお望みどうり死んでやろう。
「父さんと母さんに会えっかな」
『ちょっ!?待って!!』
「はっ!?え、誰?」
声が聞こえる方を振り向いたが誰もいない
「はぁ…幻聴かよ…。最後はやっぱ誰かに引き止めてほしかったな…うぎゃぁぁぁ!!!?!」
『あのーそんな驚かないで下さい』
「者、ジャベ、喋った」
『変換おかしいですよー』
驚かないほうが無理がある、さっきまで何もなかった空間に喋る骸骨が黒のローブを羽織り目の前にいるのだから
『落ち着いて下さい!』
「俺クスリとかやったっけ?」
『違いますよー。これはまぁ現実です』
「嘘つけ!骸骨が話すとかありえん!幻だ!」
何で俺会話してんだ。
「!」
話せない!?
『あの、佐々部壱様。初めまして死神です。少し話を進めたいので強硬手段にさせて頂きますね。終わったら喋れますので少しお話をお聞きください!ええと、まずあなたの人生をずっと見ていました。頑張りましたね、あなたのお母様とお父様逝くとき心配なされてました(泣)』
泣かれても…
『辛かったでしょう。誰にも認められずでも大丈夫です、次の生き方はもっと素晴らしいものにして差し上げますから!』
次の生き方?
『人とは限らないので人生、とは言えませんが必ず素晴らしいものに!』
あの、そろそろいいすかね?落ち着いたんで
『あぁすみません苦しいですよね話せないと。解きましたよ』
「あの、次の生き方は異世界で過ごしたいです」
漫画で見たんだ!チートの主人公がハーレムやらなんやら幸せになる話を!俺はそれになりたい!
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