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王宮の春の仮面舞踏会。王妃の侍女を八年務めてきた子爵夫人ジスレーヌは、王妃の後ろで客の名をささやきながら、夫が連れてきた女を見た。女の顔を覆うのは、ジスレーヌが毎年自分で羽根を縫い直してきた銀の仮面。夫はその女を「妻」として王妃に挨拶させたのだ。招待状も夫の役目も屋敷の借入の保証も、支えてきたのは妻だと夫は知らない。けれど王妃はひと言で偽物を見抜き、仮面を外さない皮肉屋の公爵は、声だけで本物を聞き分けていた。元サヤなし。全七話。
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王宮礼拝堂で開かれた娘の命名式。伯爵夫人マルヴィナが決めていた名を差し置いて、夫は幼なじみの男爵未亡人の名を告げた。祖母から継いだ名の帯まで取り替えようとしたとき、生まれて二十日の娘は帯の房を握って泣き、代父を務める北の大公が「赤子の指は、こじ開けるものではない」と止める。代母の王妃も偽りの名を拒んだ。持参金も領地の帳簿も夫の侍従の職も、支えてきたのは妻だと夫は知らない。帯に縫った名まで切られて、マルヴィナは娘を抱いて家を出る。元サヤなし。全七話。
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