掌中の珠のように

花影

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執着8

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さくっとしたエッチシーンがあります。


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「良かったよ、沙耶」
 幸嗣が沙耶に声をかけ、己自身を抜いて体を離す。義総も愛おしそうに沙耶にキスをして彼女の体をベッドに横たえる。秘所と後孔両方から注がれた白濁がトロリと流れ出るが、彼女は身動き一つしない。
「あれ? 失神しちゃった?」
「刺激が強すぎたようだな」
 幸嗣が心配げに沙耶の顔を覗き込むが、それを妨げるかのようにバスローブに袖を通した義総が彼女を抱き上げる。
「今日はここまでだな」
「えー?」
 幸嗣が不満そうにしていると、義総はニヤリと笑う。
「強引に後孔を犯すからだ。沙耶はあそこが嫌いだからな」
「まさか、兄さん……」
「大人しく待っていれば良かったものを……もう次は無いだろうな」
 まんまと兄を言い包めて沙耶とセックスできると喜んでいたが、義総の方が一枚上手だったようだ。
 後々強引に沙耶を犯されないように、渋々承諾した様子を装い幸嗣も招き入れ、閨では弟が我慢しきれなくなるのを待って彼を後孔で果てるように誘導した。更にはそれが嫌いな沙耶に幸嗣へ悪いイメージを植え付け、最後は失神してしまうのまで計算していたようだ。
「私は向こうで沙耶の介抱をする。ここのシャワーを使っていいから、着替えて自分の部屋に戻れ」
 義総はそれだけ言い残すと、沙耶を抱いたまま彼女の部屋に行ってしまった。
「やられた……」
 1人残された幸嗣は呆然として立ち尽くした。



 柔らかな光を感じて沙耶は目を覚ました。気付けば天蓋布に覆われたベッドで裸のまま寝かせられていた。恐る恐る体を動かしてみるが、以前のような軋むほどの痛みは無い。激しい交わりに体の方は慣れてしまったようだが、心はついていけずに苦しくなる。
「お目覚めでございますか?」
 そっと天蓋布が開けられて綾乃がほっとした様子で覗き込んでいる。
「綾乃さん……寝坊してすみません」
 沙耶が慌てて起き出そうとすると、綾乃は手にしていた夜着を体にかけてくれる。
「心配なさらなくても大丈夫ですよ。お体は痛みませんか?」
「はい、大丈夫です」
 沙耶が夜着に袖を通すと、綾乃は天蓋布を開け放ち、リボンがついたホルダーでとめる。そしてワゴンをベッドの側まで押してきて、香り高い紅茶を淹れてくれる。
「ありがとう」
 ベッドの縁に座って紅茶を飲んでいると、ドアをノックする音がしてTシャツにGパンという休日仕様の服装をした義総が部屋に入ってきた。綾乃は飲み終えたカップを沙耶から受け取ると、恭しく頭を下げて部屋を出ていく。
「体は大丈夫か?」
「は……はい」
 義総はベッドに近寄ると沙耶の隣に座って彼女に軽く口づける。彼が愛用している香水の香りが鼻孔をくすぐり、彼女は昨夜の行為を思い出して体が震えてくる。
「お前に伝えておくことがある」
「……何でしょうか?」
 義総はいつになく真剣な表情で沙耶の顔を覗き込む。
「来週、お前に会いに客が来る」
「私に……ですか?」
 沙耶が困惑したような表情を浮かべると、義総がポケットから紫色の袋を取り出した。似たような生地で袋は作り変えられているが、それは紛れもなく彼女のお守りだった。
「以前に話した、これについて詳細を知っているらしい人物がお前に会いたいと言って来た。命を狙われているらしくて連絡も思うように取れなかったが、今朝、ようやく話がまとまって先方が日本に来てくれることになった」
 義総はそう言うと袋を彼女に手渡す。2枚のコインはまとめて入れてあり、それは以前のように固く口を閉ざしてあった。その感触はなんだか懐かしく感じる。
「母とはどういった繋がりがあるのでしょうか?」
「詳しくはお前と会ってから話がしたいと言っている。英会話はまだ無理か?」
「は……はい」
 いくらかは勉強したが、まだまだ聞き取る事も難しい。
「分かった、その時は私が通訳しよう。遅くなったが、これはお前に返す」
「本当に?」
 思わず顔が綻んでくる。まだ一月ほどしか経っていないのだが、目まぐるしい状況の変化で、もっと経っている気がする。
「分かりやすい奴だな」
 義総は苦笑すると、そっと顎に手を添えて唇を重ねる。軽く触れるだけかと思ったが、口の中に舌が入り込んできて彼女の舌に絡めてくる。
「ん……」
「今なら邪魔者はいない」
 おそらく幸嗣の事を指しているのだろう。沙耶はそのままベッドに押し倒され、覆いかぶさってくる義総と目が合う。欲に染まった眼差しに沙耶はドキリとする。
「でも……あの……起きたばかりです……」
 沙耶が困った様に反論するが、義総は笑って一蹴する。
「関係ない。昨夜は幸嗣の所為で思ったようにお前の体を堪能できなかった」
 羽織っただけの夜着はすぐに脱がされ、義総もさっさと服を脱いで全裸になる。
「でも……でも……」
「問答無用」
「あぁ!」
 沙耶の体を知り尽くしている義総は、彼女が敏感に反応する場所ばかりを探り出し、巧みに愛撫しながら舌を這わせる。沙耶はそれだけで体の力が抜けていき、抵抗する気力も失せてしまう。
「お前は私のものだ」
 耳元でそう囁かれ、既にそそり立っている彼自身が沙耶の中へと押し込まれてくる。義総に少し愛撫されただけで、溢れ出る程蜜を湛えた秘所は難なく彼の欲望を受け入れた。
「あああ……」
 沙耶は快感に体を震わせる。義総によって覚え込まされた淫猥な快楽に彼女は溺れはじめていた。そんな自分に困惑しつつも、与えられる快楽に抗う事は出来ない。



 沙耶はその日、寝室どころかベッドからも出る事が出来なかった。昼間は義総と、夕方からは大学から帰ってきた幸嗣も強引に加わって3人で淫らな行為にふけってしまった。

 何かが違う気がする……。

 そうは思っても、イキ過ぎて最早それ以上考える余力が無かった。沙耶はこの夜も2人に注がれた白濁を秘所から垂らしながら意識が遠のいていった。


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やはりまだまだ義総の方が一枚上手でした。
それでもめげずに、翌日には沙耶とのエッチに成功。
幸嗣もなかなかやります。
でもやっぱり一番気の毒なのは沙耶。
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