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説明3
しおりを挟むそこで私は思った。
お父さんとお母さんは、お父さん、お母さん、と呼んでも良いのか?
‥男、女という性別がないのに‥
「ねえ、ミーシャ?」
「んー?」
「私さ、頭の中で両親のことお母さん、お父さんって呼んでたんだけど、どうなのかな?」
「ん?‥ああ!性別ないのにってこと?」
「そう」
「んんー。でもスーの両親お父さんは"お父さん"って感じやんな。」
そうお父さんの方は問題ないのだ。
「でもお母さんはどっちかっていうと話し方男の人っぽくない?」
「女性っぽくはないね。」
「そうなんやって。でさ、なんて呼んだら良いと思う?」
どっちもお父さんになるんだろうか?
「わからん」
諦めが早い!
「そんなハッキリと言わんくても良いじゃん~一緒に悩もうよ~」
「ええ~めんどい。いっそ聞いてもたら?」
「気まずくない?」
「大丈夫。大丈夫~」
「お気楽な。」
「「ただいまー」」
なんということだ、帰ってきてしまった。
まだなんの段取りもしてないってのに!
「良い子にしてたか?」
お母さんが顔を近づけて優しげに聞いてくる。
ミーシャの方を見ると言っちゃえって顔で頷いている。
他人事だと思って~。
でも聞かないとずっとむずむずしたままで過ごさなくてはいけない。
それは嫌だ。
「うん!良い子にしてた!ところで一つ聞いても良いい?」
「なんだい?」
「さっきねミーシャに竜は雌雄同体だって聞いたの!竜には男とか女とかってないの?」
「んーっとね。確かに竜は誰でも子供を産めるけど男や女がないってわけじゃないよ。」
男や女はあるんだ!
「体は同じなのにどこが違うの?」
「それはな。人格だ!」
お父さんが答えてくれる。
今までで会話に入れなかったのが寂しかったようで意気揚々と話始める。
お父さんは寂しがりやのようだ。
「スカイよ俺は男だと思うか?女だと思うか?」
父よそれは質問になっていない父はどう考えても男だ。
「男だよね。」
「ああ!その通りだ!流石俺の子賢いな!」
父よこれで女だったらひっかけも良いところだよ。
まあお父さんが男だってことがわかったのでお母さんの目をじっと見る。
何て呼んだら良いのか分からないので呼び掛けることもできない。
不便だし寂しい。
「ああ、私の人格がどちらか聞きたいのかい?」
「うん」
「私も一様男だよ。でも卵ができた頃からかな?なんだか女性っぽさが増した気がするよ。母性本能でも出てきたのかな?」
「昔の強気なアストも良かったが今のアストも良いぞ!俺の奥さんって感じでな!」
「なに言ってんだよ。切り刻むぞ。」
お母さんは怒ってるふうにお父さんの方に突っかかって行ったがその顔は真っ赤だった。
お母さんは素直じゃないだけであれは照れ隠しのようだ。
つまり何が言いたいかというと"親がバカップルだったんだが子供はどうすれば良いか分からない件"と言った感じだ。
ミーシャの方を見ると呆れた顔でこっちを見返してきた。
私も同意の視線を返そうとする。
全く子供をほったらかして自分達の世界に入らないでほしいものだよ。
「スーもいつかあんな感じになるかもね」
「エッ」
ミーシャが爆弾を落としてきた。
私があんなあまあまな雰囲気で「そんなところも好きだぞ」とか「私もお前のことは嫌いじゃない(ツンデレ)」とか「ほんとは俺のこと大好きだろう?」とか言い始めるって言いたいのか!?
今は生まれたばかりの子供だし前の世界では恋愛なんて殆どしなかったので考えただけで顔に熱が集まってくる。
私がそんなことを考えていると、
「じゃあ次はレオン、お前が産めよ!」
「何いってるんだ!?‥けどお前とならそれも‥」
!!
なんかリバっぽい展開に
でもそろそろこの話をした理由お父さんお母さんと呼んでも良いのか問題に決着を着けなくては。
「ねえねえ。」
「「どうした?」」
そう言えばこの二人よく被るよな。
そう言うところは夫婦っぽいそう思った。
「お母さんって呼んで良い?」
「もしかしてそれに悩んでこの話をしたのかい?」
肯定の意味を兼ねコクリとうなずく。
「ああ。いいよ私はスーのお母さんなんだから。」
「お母さん!」
私はお母さんに駆け寄ってぎゅうっとしがみついた。
お母さんも抱きしめ返してくれた。
心がふわふわってなって幸せな気持ちになった。
「俺は!」
「お父さん!」
「そうだぞ!俺はスカイのお父さんだぞ!」
父もお父さんと呼ばれたのが嬉しかったようだ。
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