日陰に住む者
恋人がいたことなんて、一度もない。
26年間、誰かに手を繋がれたこともなければ、「好きだよ」なんて言葉をかけられたこともない。
それが私、町山ミカ。
職場には男の人がひとりだけいるけど、課長だから、業務連絡しか話さない。
雑談なんて、する必要もないし、されたくもない。
別に嫌ってるわけじゃない。向こうだって私に興味なんてないだろうし。
私はただ、今日も静かにデスクに向かって、黙々とExcelをいじってる。それだけ。
友達がゼロってわけじゃない。アニメの話だけできるオタク友達、月イチで映画を観に行く子、カラオケで90年代ソングばかり歌う子。
それぞれと、それぞれの時間を過ごす。でも、どの子にも、「今日ちょっと落ち込んじゃってさ」ってメッセージできるほどの距離感じゃない。
みんな、予定があるときだけ会う人。
私の生活には、そういう人しかいない。
たまに思う。
私の人生って、薄いなって。
日向で誰かと笑い合うような、ああいう感じ。たぶん、最初から私には向いてなかったんだ。
26年間、誰かに手を繋がれたこともなければ、「好きだよ」なんて言葉をかけられたこともない。
それが私、町山ミカ。
職場には男の人がひとりだけいるけど、課長だから、業務連絡しか話さない。
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別に嫌ってるわけじゃない。向こうだって私に興味なんてないだろうし。
私はただ、今日も静かにデスクに向かって、黙々とExcelをいじってる。それだけ。
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