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恋人がいたことなんて、一度もない。
26年間、誰かに手を繋がれたこともなければ、「好きだよ」なんて言葉をかけられたこともない。
それが私、町山ミカ。
職場には男の人がひとりだけいるけど、課長だから、業務連絡しか話さない。
雑談なんて、する必要もないし、されたくもない。
別に嫌ってるわけじゃない。向こうだって私に興味なんてないだろうし。
私はただ、今日も静かにデスクに向かって、黙々とExcelをいじってる。それだけ。
友達がゼロってわけじゃない。アニメの話だけできるオタク友達、月イチで映画を観に行く子、カラオケで90年代ソングばかり歌う子。
それぞれと、それぞれの時間を過ごす。でも、どの子にも、「今日ちょっと落ち込んじゃってさ」ってメッセージできるほどの距離感じゃない。
みんな、予定があるときだけ会う人。
私の生活には、そういう人しかいない。
たまに思う。
私の人生って、薄いなって。
日向で誰かと笑い合うような、ああいう感じ。たぶん、最初から私には向いてなかったんだ。
文字数 9,157
最終更新日 2025.05.10
登録日 2025.05.10
__毎週水曜日、あの人は必ずやって来る。
ロイヤルミルクティーとクロワッサンを注文し、静かに過ごして帰っていく――それだけの、奇妙なほど変わらない日常。
バイト中の大学生・千沙は、そんな常連客・リクの視線にふと気づいた瞬間から、少しずつ惹かれていく。
“完璧な彼”と“普通の私”の恋。
けれどその恋は、ただの偶然なんかじゃなかった。
リクには、千沙にどうしても言えない、ふたつの大きな秘密があって……。
甘く、苦く、そしてどこか不穏。
ひとりの青年が命をかけて紡ぐ、狂おしいほど純粋な愛の物語
※カクヨム様、小説家になろう様 でも記載しています。
文字数 117,573
最終更新日 2025.05.04
登録日 2025.04.17
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