霧の村の少女エルシャ
深い霧に包まれた山岳地帯の小さな村。
春の終わり、移牧へ向かった男達を残し、村には女達と子供だけが暮らしていた。
ある日、旅の姉弟デュリナとカイスは、山道で迷った末にその村へ辿り着く。
そこで二人を迎えたのは、村に暮らす少女エルシャと、静かで優しい人々だった。
白い霧、降り続く雨、羊の鈴の音。
外界から切り離されたような村で、エルシャ達は少しずつ心を通わせていく。
しかし、激しい雨による落石で道は閉ざされ、姉弟は村に留まる事になる。
限られた暮らしの中で過ごす穏やかな日々。
編み物や刺繍、食事を囲む時間、そして雨音の向こうに感じる不安。
やがてエルシャは、自分の中に芽生えた別れたくない気持ちに気付き始める。
これは、霧深い村で出会った人々の、静かで温かな交流と、小さな別れを描いた物語。
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