英雄は、一人しか載らない
戦がやまない辺境の村。
軍記物語の英雄に憧れる戦災孤児カイには、剣の才も、恵まれた体格もなかった。
ある夜、村を救った名もなき女騎士から、生き延びるための「型」をひとつ教わる。
ただそれだけの出会いが、カイの運命を変えた。
彼には、一度見た型を写し取り、相手の体に合わせて教え直す才があったのだ。
一人では弱い百姓たちが、三人で噛み合い、十人で退かなくなる。
その働きが英雄の武勲として記されても、カイの名が番付に載ることはない。
それでもいい。
英雄一人では守れない命を、名もなき者たちの隊列なら守れる。
英雄になれなかった少年が、やがて英雄を必要としない国を作る、異世界戦記。
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