暗殺者ギルドの凄腕暗殺者は、スライムを使って仕事を遂行する。

スライム…それは世界最強の武器である。

如何なる物に形を変え…

硬質化すると鋼より強く…

暗殺道具以外に拷問道具としても使え…

更に死体の処理もお手の物として優れた存在である。

その他にもさまざまな需要が有った。

主人公のファストは、初めっから暗殺者ギルドで最強だった訳ではない。

入りたての頃は最弱どころか雑用でしか存在意義が無かった。

ファストは小さな村の農夫の三男の子供として生まれた。

小さい頃から両親の手伝いをして育って行った。

10歳になったある時、村に来た神官に神託の儀が行われてファストは【スライム使役】という能力を授けられた。

この世界でもスライムは危険な魔物として扱われた。

魔族ならともかく、人間で魔物を使役する能力があるファストを皆が恐れた。

村では集会が行われ、ファストを今後どうするかが話合われたが…危険生物を使役出来るファストは始末する事が決定した。

そしてその日の夜に、ファストは父親に連れられて森の奥にある崖から突き落とされた。

ファストの父親としては苦渋の決断だった。

ファストは兄妹の中で一番の働き者だった。

生まれたばかりの妹の面倒を見たり、家事も率先してやる良い子だった。

村の掟ではファストは深い森の中で始末をするという話だったが、自ら手をかけることができずに崖から突き落とすのが精一杯だった。

そして帰りたくても帰れないファストは、盗賊に捕まってから街で奴隷として売られた。

そしてファストに目を付けたのは、暗殺ギルドの頭領だった。

ファストの物語はここから始まるのだった。
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