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第五章 異世界召喚が8回目って…マジかコレ⁉︎

第十三話 異変…?

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 アーレイタスの村を出てから王都ダルキアンを目指して歩いていたサクヤは、急に空が暗くなったので上空を見た。
 するとそこには信じられない物が浮かんでいたのだった。

 「な…なんだ、アレは‼ グヴェリオンの世界ではあんな物迄存在するのか⁉」

 サクヤの目線の先には…巨大な大陸が空に浮かんでいたのだった。
 するとサクヤの目の前で何かが光ってステータスボードが勝手にオープンした。
 そこにはグヴェリオンからのメッセージが記載されていた。

 【今の武器のままではハルセイアスには勝てんので、武器の目処を解決させる為にある物を用意した。 これで不知火朔夜君の魔王討伐の手助けに成れたら嬉しいと思う! 有効活用して…我々を更に楽しませて欲しい!】

 「突然何かと思ったら…何がしてぇんだよ‼ 武器の目処って…?」

 すると俺の目の前に空に浮かんでいる大陸との間に、大きな階段というか橋が掛けられた。
 これは…俺に空の上の大陸に向かって目処になる武器を探せという事なのか?
 
 「グヴェリオンは何を考えているか解らないが、俺が何の策も無しに乗り込むと思っているのか? 第一世界から第七世界迄の魔物や魔獣は、全てではないが大体の生態系は分かるが…空の上ともなると全くの未知数だぞ! 過去の7回の召喚の時でも空に浮かぶ大陸なんてなかったしな!」

 空の上の大陸ともなれば…人類は天使か翼人種の類だろうか?
 天使なら…武器を所持しているかもしれないが、翼人種…ハーピーやガルーダとかの類となると武器を持っているかどうかも怪しい?
 ところが階段から降りて来る数人を目撃した。
 背中に翼は生えては無いただの人間の様だが…会話は出来るのだろうか?
 俺は顔や全身を隠してから奴等に接触した。

 「俺は無益な殺生は好まぬ…死にたくなければ武器を置いていけ!」

 何だか武士の様な騙り方をしてしまった。
 だが、下手に刺激する言い方をするよりはまだ良いか!
 死にたくなければ武器を置いて行け!…だと、盗賊と間違われるかもしれないしな?
 まぁ、真面にいう事を聞く物はいなかった。
 俺は命を奪わない代わりに、適当に痛めつけてから武器だけを奪って行った。
 当面の間は、俺はこんな感じで階段から下って来た者達を返り討ちにして武器を奪うという行為を繰り返していた。

 ~~~~~1か月後~~~~~

 空の大陸の冒険者ギルドでは、急に現れた空の大陸の下に存在する世界の事で話し合われていた。
 階段の間に現れている者は、異常な強さで…命を取られない代わりに武器を奪われていたという話だった。
 そんな中、1人のエース的な冒険者がギルド内に入って来ると…武器を奪われた冒険者はエース的な男の前で土下座した。

 「済まない…俺達はあんたが作ってくれた武器をみすみす奪われちまった!」
 「そいつは更に俺達の武器を奪った後に見定めた後に、「これは使えねぇ…」とか、「これはゴミだな‥」とか抜かしやがったんだ‼」
 「生きて戻って来ただけ良いだろう。 武器はまた作れるし、生きていればし返し出来る事もあるからな!」
 「だが奴の強さは桁違いだった! 武器を取られて向かって行ったが返り討ちに遭った。 だがそいつは俺達に興味無さそうに…「また武器を手に入れたら挑むと良い、武器の無いお前等に興味はない!」と言われてな…」

 エース的な男は震えていた。
 それは悔しさから来るものでもあったが、同時に怒りから来るものでもあった。

 「俺の創った武器が使えねぇだと? しかもゴミとか抜かしたのか⁉ 面白い…そいつに痛い目に遭わせてやるよ‼」
 「おぉ! ありがとうございやす!」

 エース的な男は階段に向かって歩き出して行った。
 
 ~~~~~再びサクヤ~~~~~

 「どの武器も性能は良いが、俺の玉鋼の剣を越える様な素材の武器ではないな…ん?」

 階段を見ると、先程のエース的な男が階段を下りて来た。
 どうやら次のカモが現れたようだったので、俺はいつも通りに役を演じて接触した。

 『やぁやぁ我は武芸者なり! 強き武器を欲する者だが…命は奪わぬ代わりに武器を置いて行って貰おうか!』

 最初に武士の様な物言いになってから、続けていたらこんな話し方になってしまった。
 でもまぁ、これはこれで…良しとするか!

 「弁慶かお前は…」
 「ん? 我は殺生は好まぬ故、痛い目に遭いたくなければ…」
 「御託は良い! さっさと掛かって来い‼」

 エース的な男は剣を構えた。
 この男から発せられる威圧感は並みの物ではなかった。
 雑魚ばかりだと思っていたら大物が掛ったか。
 俺も剣を構えて隙を窺っていた…が、全く隙が無かった。

 「お主…強いな!」
 「お前もな…!」

 それ以上の会話が続かなかった。
 俺もレベルは上げていた方だが、目の前の奴には敵わない…かも知れない位に手強い奴だった。
 同時にエース的な男もそれを感じ取っていたみたいだった。
 俺も相手も構えてから全く動く事が出来なかった。
 
 「ヤバいな…大物どころの話じゃないな! 下手に動いたら負けるかもしれん!」
 「何を言っているのか解らんが…このままだと埒が明かねぇな‼」

 俺は身に纏っていた服を脱ぎ去ってから身軽になって、再び構えた。
 相手も同じ事を考えていたみたいで…コートを脱ぎ去ってから再び構えた。
 そして静寂が2人を包み…額から汗が流れ落ちていた。
 俺は今迄の相手には魔法は一切使わなかった。
 それは下手に手の内を晒して伝わるのを避けたからだったが…この相手にはそれが不要と感じた。
 俺は闇の縛鎖を発動して、相手を拘束しようと思った…が、相手は闇の縛鎖を切り裂いてから接近して来た。
 闇の縛鎖は大型の魔獣すら捉えられるという頑丈な物だったが、相手の剣はそれを上回る威力だった。

 「まさか…闇の縛鎖を切り裂ける剣があるとはな! お前の剣…欲しくなった!」
 「俺を倒す事が出来たらくれてやるよ!」

 相手は俺に接近して来て激しい打ち合いとなった。
 相手の剣が余程の性能なのか、俺の玉鋼の剣が削られて行っていた。
 俺の剣は無骨な剣だが決して軟な鍛え方はしていない…と思っていたが、相手の剣はそれ以上に上回っていた。
 だが、このまま打ち合っていたらこちらの剣が持たないので…俺は闇の縛鎖とは別の魔法を発動しようとしたら、相手は警戒をして後方に下がった。
 俺はこの隙に収納魔法から予備の玉鋼の剣を取り出した。

 「お前は魔法が使えるのか…厄介だな!」
 「お前の剣の方が厄介だよ、俺の剣を削るとはな…益々欲しくなった!」

 …とはいえ、また相手が攻めて来たら先程と同じ展開になっていずれは俺の剣が壊される。
 俺は少しでも相手の油断を誘う為にある事を思い付いた。

 「お前は凄い奴だな…是非とも名前を聞いておきたい所だ!」
 「俺か? 俺の名はラック…寿 幸運だ‼」
 「ラックか…って、ん?」

 俺は剣を下げてから考え込んだ。
 ラックって…中学の頃に仲良かったアイツか?
 まさか…アイツもこの世界に呼ばれたのか?

 「すまん、確認の為にもう1度名前を聞かせてくれないか?」
 「俺の名前は、寿 幸運ラックだ! 今度こそ聞こえたか?」
 「あ…あぁ、まさかアイツが…?」
 「俺は名乗ったぞ、お前も名を名乗れ‼」
 「俺の名は…不知火朔夜だ!」
 「そうか、不知火朔夜というの…は?」

 ラックは俺の名前を聞いて呆けていた。
 そりゃそうだ、まさかこんな場所でかつてのトモダチと再会出来るとは思わなかったからだ。

 「本当に…朔夜なのか⁉」
 「久しぶりだな、ラック!」

 実に数年ぶりの再会だった。
 それもまさか…異世界で再会するとは夢にも思わなかった。
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