三十二歳の古宮真澄は社長秘書として七年勤め上げた会社を辞めることにした。しかし退職日当日、上司である三嶋尚吾に別れの挨拶をした途端、彼の態度が一変する。
「君が俺から去るなんて、許さない」そう言って、唐突に口付けられてしまう。
他人に関心の無い人間だと思っていたはずの尚吾の執着に、真澄は翻弄され惹かれていく。
不器用な男が愛したのは、自分の元を去ろうとしている秘書。
彼女を放したくないが為に、彼が画策した事とは――?
文字数 73,689
最終更新日 2024.11.22
登録日 2024.10.29