やさしい物語 小説一覧
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学校の図書室には、ちょっとだけ“ふしぎ”がある。
本棚のすき間や、閉まらない引き出し。消しゴムのにおいがする、いつも静かな部屋――。
その奥のほうに、ひとつだけ他と違う、古い本が眠っていた。
ページは黄ばんで、表紙もボロボロ。だけどなぜか、そばを通ると、ほんのりあたたかい。
そしてある日。
私は、その本の「ひみつ」を知ってしまった。
文字数 9,135
最終更新日 2025.07.17
登録日 2025.07.17
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ささやかな暮らしのなかに、そっと咲く、心の灯火を。
この短編集は、特別な事件も、大きな奇跡も起きません。
それでも、ページをめくるたびに、どこか心の奥がじんわりと温まる
――そんな、小さな物語たちが詰まっています。
登場するのは、日常のどこにでもいそうな人たち。
学校、商店街、古い団地、喫茶店、祖父と孫の関係……
ふとしたすれ違いや気づき、届かなかった言葉が、静かに、やさしく、誰かの心に触れていきます。
「気づかれない想い」「言葉にしづらい気持ち」「習慣に紛れてしまう優しさ」
それらを、丁寧な筆致と静かなまなざしですくい取り、物語へと昇華しています。
すべての話に共通するのは、“あたたかさ”ではなく、“あたたかくなっていく”過程。
読み終えたあとには、まるで湯気のように、胸の奥で何かがふわっと立ち上ってくるはずです。
疲れた心の隙間に寄り添いたいとき。
そっと誰かのやさしさにふれたいとき。
この物語集は、そんな夜に、そっと灯る小さな明かりになるでしょう。
文字数 27,812
最終更新日 2025.07.02
登録日 2025.06.22
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