ゾンビに支配された世界。
人間はすでに滅び、猫だけが生きている。
腐った内臓を喰らい、崩れた街をただ歩き続ける日々。
ある日、猫は出会う。
襲ってこない、腐った子供――ゾンビの残骸のような存在と。
言葉も交わさず、ただ背を追い続けてくる子供と、
歩幅を揃えるように、猫は今日も歩く。
やがて、腐敗が始まる。
子供が、猫が、それぞれの“終わり”を迎える中で、
それでも確かに存在していた“ぬくもり”を描く、
静かで優しい、終末の物語。
文字数 2,567
最終更新日 2025.08.01
登録日 2025.08.01