少し不思議な物語 小説一覧

2件
1

路地裏の自販機が売っていたのは、失くした青春でした

IT企業で心身をすり減らす日々を送る相馬健吾。彼の心は、拭えない過去への後悔で重く淀んでいた。 「あの時に戻れたら、違う選択ができたはずなのに」 長年降り続く心の雨に打たれながら帰路についたある夜、彼は路地裏で時代遅れの自動販売機を見つける。好奇心と自棄的な気持ちで買ったのは、商品見本のない、謎めいた小箱を開けるための古びた鍵だった。 鍵が扉を開いたのは、過去の世界。 まばゆい太陽、鳴り響くセミの声、そして、屈託なく笑う仲間たち。そこは、彼が人生で最も輝き、そして最も後悔を残した十年前の夏だった。 「今度こそ、完璧な夏にする。そして、伝えられなかった想いを彼女に――」 過去の記憶を道しるべに、健吾は失われた青春を取り戻そうと奔走する。だが、完璧を演じようとすればするほど、何かが少しずつ歪んでいく。本当にやり直すべきは、過去の出来事か、それとも――。 これは、一人の青年が不思議な奇跡を通して、過去の後悔と向き合い、「今」を生きる意味を見つけ出す、少し切なく、どこまでも優しい物語。
2

未来夢☆クロノス ~今を選んで~

「未来が分からないこと」を恐れている16歳の少女・未来。 16歳の誕生日を境に、数日後の出来事を鮮明な夢として見るようになる。 未来の夢が次々と現実になる。 「未来を知れば、失敗を防げる」 と思った未来は、夢を利用して未来を変え始める。 しかし、未来を変えることで新しい未来が生まれ、次第に自分自身を見失っていく。 そして時也への恋心にも気づく。 未来が見えることは、未来を知ることなのか。 それとも、未来を選ぶ力を手に入れることなのか。 主要登場人物 ① 水瀬 未来(みなせ・みく)/16歳 主人公。 高校1年生。 明るく振る舞っているものの、心の中ではいつも、 「私、この先どうなるんだろう」 という漠然とした不安を抱えている。 幼い頃から想像力が強く、未来を勝手に想像してしまう「妄想癖」があった。 そのため周囲からは、 「未来ちゃんって、考えすぎだよね」 と言われることも。 16歳の誕生日を境に、数日後に実際に起こる出来事を、現実と区別できないほど鮮明な夢として見る能力が発現する。 しかし未来が見えるようになったことで、逆に彼女は悩み始める。 ② 桐生 時也(きりゅう・ときや)/16歳 未来のクラスメイト。 物静かで、時計や古い機械が好き。 将来は時計職人になりたいと思っているが、家族からは安定した大学進学を勧められている。 未来とは幼い頃からの知り合い。 未来の「妄想話」を昔から唯一まともに聞いてくれた少年。 未来が未来を見始めたことにも、いち早く気づく。 ③ 星野 莉奈(ほしの・りな)/16歳 未来の親友。 明るく現実的。 恋愛にも積極的で、 「未来が見えないからこそ、今を楽しむんじゃん!」 というタイプ。 未来が未来を見る能力を持った後も、怖がるどころか、 「それってめちゃくちゃ凄くない?」 と最初は面白がる。 しかし次第に、未来の苦しみを理解していく。
2件