VT250F 小説一覧
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カッペは遂に大都市東京を走る?
バイクのエンジン音だけが、都会の喧騒から俺を切り離してくれる。
怒りの矛先を見失ったまま走り続けた夜、
俺は気づいてしまった。
追いかけてくるのはパトカーでも、過去の失敗でもない。
“救えなかった誰か”の影だった。
あの娘を守りたかった。
居場所を作ってやれると思っていた。
今度こそは!
けれど、俺は最後まで救えなかった。
都会の光は眩しいのに、心の奥だけは暗いまま。
選ばなかった未来ほど鮮明に思い出せるのは、どうしてだろう。
バイクを降りれば現実が追いついてくる。
家の明かりを守りたい気持ちと、
故郷へ帰りたい衝動のあいだで揺れながら、
俺は今日も走り続ける。
これは、“怒り”の物語じゃない。
救えなかった誰かを抱えたまま、それでも前へ進もうとする男の物語だ。
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