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《お前にだけ狂想曲(工藤×良太)シリーズ39》
青山プロダクション社長で敏腕プロデューサー、昭和なオヤジ工藤と、部下で秘書兼プロデューサー元野球少年で直球な良太のすったもんだラブ♥。
青山プロダクションの広瀬良太は相変わらず社長の工藤高広の後を追うように仕事漬けの毎日を送っている。テレビ等の番組、映画の企画制作プロデュース及びタレントの育成とプロモーションが、会社の主な業務内容であり、良太の肩書は秘書兼プロデューサーと名刺には印刷されているが、その実万年人手不足のオフィスでは何でも屋に徹するしか生き残れない。その要因は、工藤の、某反社会組織組長の甥、という出自にあったが、工藤自身は生まれてすぐ曾祖父母の養子となった際にきっぱり縁を切っているし、在京キー局時代鬼の工藤と異名をとり、今の会社を興したのだが、そのための財も他界した曾祖父母から相続したものだ。だが、その世界の人間や警察組織からは血縁というだけで、痛くもない腹を探られているのが、工藤にとってはうざったかった。
ここで重要なのは、工藤と良太がただの社長と部下ではないということだ。きっかけは誤解からだったものの、いつの間にか良太は刷り込み状態で工藤を慕い、その背中を追うようになり、一歩通行と思い込んでいるのだが、その実、四十路に突入し、良太に対して逡巡することが多いものの、良太に何かあったらすっ飛んでいくくらい、大義名分とやっていることがちぐはぐなオヤジ工藤である。
そんなある日、工藤は身に覚えのない殺人事件に巻き込まれ、参考人として警察署に引っ張られてしまう。それを知った良太は、会社の顧問弁護士の小田や会社の面々とともに工藤の濡れ衣を晴らすべく奔走する。
文字数 62,742
最終更新日 2025.06.25
登録日 2025.05.15
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