救難 小説一覧

1
1

E級探索者のダンジョン救難員 ~戦闘向きじゃない外れ能力《固定》で死地から人を連れ帰っていたら、いつの間にか「最強の救難員」と呼ばれていた~

ダンジョンが世界に現れて、八年。 探索者が魔物を倒し、配信者がその攻略を何万人もの視聴者へ届ける時代。 その裏側には、帰ってこない人間を迎えに行く仕事がある。 水城湊、二十六歳。 探索者ランクはE級。 だが本業は、一級ダンジョン救難員。 彼の固有能力《固定》は、触れた物を数秒間その場に止めるだけ。 炎も出ない。 身体能力も上がらない。 魔物を一撃で倒すこともできない。 戦闘には向かない「外れ能力」。 湊自身も、それで困ってはいなかった。 崩れかけた瓦礫を三秒止められれば、その下から一人を引きずり出せることがあるからだ。 そんなある日、人気A級探索者・白石凛花の生配信中に大規模な崩落事故が発生する。 足場を失い、深い大空洞へ落下する凛花。 救助に入った湊は、いつもと同じように《固定》を使った。 その瞬間。 落下していた人間が、空中で止まった。 救助映像は全国へ拡散する。 「これのどこがE級なんだ?」 「《固定》って、こんな能力だったか?」 「誰だよ、この救難員」 周囲が騒ぎ始めても、湊にはあまり関係がない。 次の救難要請が入れば、装備を背負って現場へ向かう。 崩落。 水没。 毒。 通信断。 能力暴走。 大量遭難。 強い魔物を倒せば終わるとは限らない死地で、必要なのは「敵を倒す力」だけではない。 八年前。 瓦礫の下に取り残された十八歳の湊を、一人の救難員が迎えに来た。 今度は、自分が迎えに行く番だ。 ただ一つ、湊自身もまだ知らないことがある。 《固定》は、本当に「物を止めるだけ」の能力なのか。 これは、戦う英雄たちの陰で命をつなぐE級探索者が、今日も誰かを生きて地上へ連れ帰る物語。
ファンタジー 連載中 長編 R18
感想数 0 文字数 27,676 最終更新日 2026.08.16 登録日 2026.08.11
1