現代文学 保育士 小説一覧
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たいようの庭で、ほどいてむすんで
私立『たいようこども園』で年中クラスを受け持つ朝比奈陽平は、園児の歩の様子に異変を感じていた。
生乾きの匂いがする服、伸びきった爪、そして何より転んでも泣かず、大人の顔色を伺って感情にフタをしている痛々しい姿。歩の家庭は、母・友香が長期入院し、父・賢一が一人で仕事と育児を抱え込んでいた。
夕方、迎えに現れた賢一は過労でボロボロになりながらも、歩の爪や生活のほころびを指摘した陽平に対し、「男のくせに保育士をやっている奴に何がわかる」と激しい敵意を剥き出しにして拒絶する。しかし陽平は、去っていく賢一の限界寸前の横顔に、かつて自分も知っていた孤独な叫びを見て取っていた。
それから数日後の金曜夜、お迎えの時間を過ぎても賢一が現れず、連絡も途絶える。不穏な気配を察知した陽平は、副園長の許可を得て歩を連れ、賢一の自宅タワーマンションへ急行する。玄関前で目にしたのは、高熱に倒れ、意識を失っている賢一の姿だった――。
文字数 5,727
最終更新日 2026.09.18
登録日 2026.09.18
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