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音郷神様と百枚目の絵馬

音郷神様と百枚目の絵馬
音郷神社で、願い事の書かれていない白い絵馬が、毎朝一枚ずつ増えていた。 一枚目、二枚目、三枚目――そして百枚目にだけ、赤い文字でこう書かれていた。 「わたしの願いを返してください」 事件の解決に乗り出したのは、千年以上この土地を見守ってきた、白銀の狐神・音郷神様。 自称1000歳超えだが、見た目は小さな狐耳の少女、口調は尊大。神様らしくすべてを見通している──ように振る舞うものの、実際の推理は少々頼りない。 そんな神様を支えるのが、音郷神社の巫女であり、十北学園高校二年生の白鷺静。 冷静な観察眼を持つ静は、絵馬に残された消し跡、紐の結び方、倉庫に落ちていた輪ゴムと赤い毛糸から、少しずつ事件の真相へ近づいていく。 誰が、九十九人分の願いを消したのか。 倉庫から消えた百枚の新品の絵馬は、どこへ行ったのか。 そして百枚目の言葉を残した人物は、本当に犯人なのか。 やがて二人がたどり着いたのは、「将来の夢」を持てないことに悩む、一人の少女だった。 静が事件の仕組みを解き、音郷神様が言葉の奥に隠された願いを解く。 少し偉そうで、少し食いしん坊な狐神様と、無表情でしっかり者の巫女が挑む、和風あやかし日常ミステリー。 願いは、文字を消せばなくなるのか。 夢がまだ見つからないことも、願いと呼べるのか。 絵馬に込められた小さな心をめぐる、やさしく不思議な謎解き短編。
児童書・童話 完結 短編
感想数 0 文字数 8,795 最終更新日 2026.07.11 登録日 2026.07.11
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