オーストリア帝国 小説一覧

1
1

古書館に眠る手記

古書館に眠る手記
十九世紀オーストリア。 ウィーン帝室図書館の地下書庫で、一冊の古い手記が発見された。 そこに記されていたのは、存在しないはずの王国「エルミア」と、一人の王女の記録。 古手記を読み解くホーフブルク官僚ルーカスは、革命前夜の現実の中で、エルミア王女の記録をしたためた青年文官のフレートに、自分をなぞらえ手記に魅了されてゆく。 当たり前の日々を当たり前の使命として励むルーカスの耳に銃声が響く。 混乱してゆく宮廷。民衆の罵声。 皇帝一家すら亡命する中、ルーカスはたった一人手記を読み解き続ける。 一方、手記内のフレートは、王女に触れるにつれ自らの信じていた世界の深淵を知り、人間とは、王族とは何かを問われる。 手記を最後まで読み終えたルーカスが「記録を残す意味」を問われた時、決断し出した答えは、英断でもなんでもない。 書物に惹き付けられた、ひとりの人間の意思。 ウィーン三月革命を舞台に、ふたつの物語を綴った歴史小説です。 本作はムソルグスキー『展覧会の絵』の構成を参考にしています。 ルーカスの語りは、展示を巡るプロムナードのように進み、その歩みは少しずつ変化していきます。 ※アルファポリス25周年カップ145位
歴史・時代 連載中 短編
感想数 4 文字数 62,733 最終更新日 2026.07.02 登録日 2025.10.26
1