娘を娶っては夜明けに殺し続ける狂王が支配する砂漠の王国。大臣の父は毎夜、誰かの娘を死地へ送り届けながら、それでも命令に従うしかなかった。
そんな父の震える手を見た少女・シャハラザードは、ある決意を固める。
「私を、王のところへ連れて行ってください」
武器は剣でも魔法でもない。幼い頃から読み続けた無数の物語だけ。頭脳と言葉と、揺るぎない信念だけを胸に、少女は死の寝所へと向かう。
千の夜を語り続け、王の凍てついた心を少しずつ溶かしていく――一人の少女と一人の王の、言葉だけで紡がれる奇跡の物語。
文字数 26,125
最終更新日 2026.05.30
登録日 2026.05.30