打楽器小説一覧

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 大学生となった誉。  慣れないひとり暮らしは想像以上に大変で。  想像もできなかったこともあったりして。  周囲に助けられながら、どうにか新生活が軌道に乗り始めて。  誉は受験以降休んでいたスルドを再開したいと思った。  スルド。  それはサンバで使用する打楽器のひとつ。  嘗て。  何も。その手には何も無いと思い知った時。  何もかもを諦め。  無為な日々を送っていた誉は、ある日偶然サンバパレードを目にした。  唯一でも随一でなくても。  主役なんかでなくても。  多数の中の一人に過ぎなかったとしても。  それでも、パレードの演者ひとりひとりが欠かせない存在に見えた。  気づけば誉は、サンバ隊の一員としてスルドという大太鼓を演奏していた。    スルドを再開しようと決めた誉は、近隣でスルドを演奏できる場を探していた。そこで、ひとりのスルド奏者の存在を知る。  配信動画の中でスルドを演奏していた彼女は、打楽器隊の中にあっては多数のパーツの中のひとつであるスルド奏者でありながら、脇役や添え物などとは思えない輝きを放っていた。  過去、身を置いていた世界にて、将来を嘱望されるトップランナーでありながら、終ぞ栄光を掴むことのなかった誉。  自分には必要ないと思っていた。  それは。届かないという現実をもう見たくないがための言い訳だったのかもしれない。  誉という名を持ちながら、縁のなかった栄光や栄誉。  もう一度。  今度はこの世界でもう一度。  誉はもう一度、栄光を追求する道に足を踏み入れる決意をする。  果てなく終わりのないスルドの道は、誉に何をもたらすのだろうか。
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小説 6,179 位 / 184,237件 現代文学 96 位 / 7,829件
文字数 40,577 最終更新日 2024.04.29 登録日 2024.03.01
元は、高校の吹奏楽部顧問と、そのときの部員だった二人、菜由美と美加。 二人は、先生と生徒という枠を超えて、卒業してもなお、互いに、音楽を主に、それ以外のプライベートな場面でも、つきあってきた。 いろいろ辛いことも乗り越えてきた。 時は2016年夏。 菜由美は、3男児の母で、末っ子が小学校3年生で、そろそろ手がかからなくなってきて、また楽器をやりたいな、と思っていた。 一方、美加は、2男児のシングルマザー。同じく、市民吹奏楽団を探していた。 検索して、月に2回しか活動してないゆるい吹奏楽団を発見した。そこへ二人で見学体験に行き。。 舞台は、二人が行きついた吹奏楽団「アンサンブル・アリオーソ」が中心。そこで繰り広げられる、新たな「出会い」そして「音楽」をつづっていく。 ○登場人物 山内美加 2男児の母 北口菜由美 3男児の母 三上真由 ベース弾き 三上義行 居酒屋「Yoshi」の店主 望月進一 トロンボーン吹き 望月俊和 アンサンブル・アリオーソの音楽監督、音楽教室「Ka's吹奏楽団」代表 中村英司 ユーフォニウム吹き のちのアンサンブル・アリオーソの名誉監督 秋山美智恵 プロの打楽器奏者 アリオーソで毎回ティンパニを叩くエキストラ 山崎まゆみ あとから出てくるたいこ叩き 大石裕也 第18回定期演奏会の賛助奏者 大澤遼子 Ka'sエンジョイコースで知り合ったテナーサックス吹き その他適宜(^◇^;)
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小説 184,237 位 / 184,237件 エッセイ・ノンフィクション 7,790 位 / 7,790件
文字数 15,795 最終更新日 2024.03.02 登録日 2022.03.19
恵まれた能力と資質をフル活用し、望まれた在り方を、望むように実現してきた彼女。 長子としての在り方を求められれば、理想の姉として振る舞った。 客観的な評価は充分。 しかし彼女自身がまだ満足していなかった。 周囲の望み以上に、妹を守りたいと望む彼女。彼女にとって、理想の姉とはそういう者であった。 理想の姉が守るべき妹が、ある日スルドと出会う。 姉として、見過ごすことなどできようもなかった。 ※当作品は単体でも成立するように書いていますが、スルドの声(交響) primeira desejo の裏としての性質を持っています。 各話のタイトルに(LINK:primeira desejo〇〇)とあるものは、スルドの声(交響) primeira desejoの○○話とリンクしています。 表紙はaiで作成しています
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小説 7,455 位 / 184,237件 現代文学 110 位 / 7,829件
文字数 257,240 最終更新日 2024.03.01 登録日 2023.07.31
小柄な体型に地味な見た目。趣味もない。そんな目立たない少女は、心に少しだけ鬱屈した思いを抱えて生きてきた。 高校生になっても始めたのはバイトだけで、それ以外は変わり映えのない日々。 ある日の出会いが、彼女のそんな生活を一変させた。 出会ったのは、スルド。 サンバのパレードで打楽器隊が使用する打楽器の中でも特に大きな音を轟かせる大太鼓。 姉のこと。 両親のこと。 自分の名前。 生まれた時から自分と共にあったそれらへの想いを、少女はスルドの音に乗せて解き放つ。 ※表紙はaiで作成しました。イメージです。実際のスルドはもっと高さのある大太鼓です。
24h.ポイント 149pt
小説 7,455 位 / 184,237件 現代文学 110 位 / 7,829件
文字数 186,849 最終更新日 2023.12.01 登録日 2023.06.30
サンバチーム『ソール・エ・エストレーラ』の案内係、ジルによるサンバの解説。 サンバ。なんとなくのイメージはあるけど実態はよく知られていないサンバ。 誤解や誤って伝わっている色々なイメージは、実際のサンバとは程遠いものも多い。 本当のサンバや、サンバの奥深さなど、用語の解説を中心にお伝えします!
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小説 12,260 位 / 184,237件 エッセイ・ノンフィクション 335 位 / 7,790件
文字数 7,153 最終更新日 2023.07.12 登録日 2023.07.01
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