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幼少期から絵の才能を認められ、確かな実績を重ねてきた鬼才・倉沼李久。
彼は、純粋芸術を愛する両親の反対を押し切り、漫画家になるために専門学校へと入学を果たす。
しかし、そこで待っていたのは彼の実力を褒め称え、ちやほやされるだけの楽園ではなかった。
絵だけで生きてきた李久にとって、物語を考えなくてはいけない漫画は一筋縄ではいかなかった。先生や同級生から受ける人生初の指摘。それに対し、自分の描く漫画を深く理解できていないからそんな指摘が出来るだと感じた李久は、逃げるように学校を中退した。
三年後、働きもせず延々と独りで漫画を描き続けていた彼が、出会ったのはホームレスのおっさん。
「君は漫画が、絵が、大好きなんだろう?」
もう絵なんてこりごりだ。そんなことを言う李久に対し、ホームレスのおっさん・義崎大倭はそんな言葉を贈る。
「絵が好きじゃなきゃ、こんなの描けるわけがない。お前さんのことをよく知らないが、それだけはわかるさ」
わかる。たったそれだけの言葉に感動した李久は、それまで誰にも理解されないと思っていた気持ちが覆されていくのを感じた。さらに、義崎は自らを元編集者だと名乗り、一緒に漫画を描いてみないかという提案をする。
李久はその提案をすぐには受け入れなかった。しかし義崎は続けて「君の描きたい漫画に合わせて物語をつくるよ」と食い下がる。
「おじさんが……物語を書いて、俺が絵を描く……」
義崎の言葉に心動かされた李久は、二人で一緒に漫画を描くことを了承したのだった。
まずは目標、新人賞入選。
果たして、稀代の天才とホームレスの二人は、漫画家としてやっていけるのだろうか。
そして漫画家活動始動に向けて、義崎の本当の思惑が見え隠れしだす。
波乱の漫画家生活が幕を開けようとした――――。
文字数 116,290
最終更新日 2025.12.07
登録日 2025.12.07
かつて極道の世界で、東北の鬼と恐れられた一人の漢がいた。
漢の名前は京極哀三。
宮城を中心に活動する京極会の会長である彼は一昨年の冬、敵対していた飛宮組との抗争に参加していた。しかし、直属の部下である川木に裏切られた哀三は、それから極道の世界から姿を消す。ついに鬼は死んだかと、そんな噂が囁かれ始めた。
死ぬ前にめいいっぱい好きなことをしたい。唯一、彼が実の息子に向けて放ったその言葉だけが今の彼を知る手がかりである。しかし、なぜかその最後の言葉はオネェ口調だったそうだ。
それから一年の時が流れ、現代の東京。
艶美な雰囲気漂う夜の街・歌舞伎町を歩く一人の姿が、道行く人の注目の的になっていた。
リボンを付けたカチューシャやシルクのように繊細で真っ白なタイツ、フリルを沢山あしらったジャンパースカート。カワイらしい姿をしているその人に、奇異の目を向ける人々。
「オカマだぁ!!!」
一人がそう言うと、スカートを翻しながらその人は振り向いた。
「失礼ねっ! アイちゃんって呼びなさぁい!」
自らをアイちゃんと名乗るその人は、夜の闇に乗じて良からぬことをする若者を成敗したり、はたまたその若者を借金取りから助けたり!
ある時は、メイクアップアーティストを目指す女の子にお化粧してもらったり、またある時は知り合った男の子の授業参観にパパやママとして参加したり!?
そしてついには因縁の相手・川木と再会してしまい、秘密のベールに包まれたアイちゃんの過去が明かされていく――!?
はちゃめちゃだけれど筋の通ったお説教と少々の暴力で、次々と困難を乗り越えてゆくアイちゃん。これを読めばきっと貴方もアイちゃんを好きになってしまうかも!?
未曽有のギャグ小説、ここに開幕です!
文字数 79,881
最終更新日 2025.12.07
登録日 2025.12.07
小学生のころからの夢だった漫画家を目指し上京した湯川渉は、ある日才能が無いことを痛感して、専門学校を辞めた。
その日暮らしのアルバイト生活を送っていたある時、渉の元に同窓会の連絡が届くが、自分の現状を友人や家族にすら知られたくなかった彼はその誘いを断ってしまう。
次の日、同窓会の誘いをしてきた同級生の泉日向が急に渉の家に今から来ると言い出して……。
思い通りにいかない毎日に悩んで泣いてしまった時。
全てが嫌になって壊してしまったあの時。
あなたならどうしますか。あなたならどうしましたか。
これはある夏に、忘れかけていた空の色を思い出すお話。
文字数 50,563
最終更新日 2021.08.08
登録日 2021.08.01
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