3
件
文明開化の光が照らす帝都に、古き闇が蠢く――。 交わらぬ「二つの正義」が、時代の怨嗟を斬り拓く和風歴史伝奇譚。
明治七年、東京。 西欧化の波と廃仏毀釈の嵐が吹き荒れる中、封印を解かれた古き怪異や、時代の敗者たちの怨霊が帝都の闇に跋扈していた。
市井に身を潜める新聞記者・辰巳勘治。 四国の妖怪狩り氏族を出奔した過去を持つ彼は、過去の後悔を胸に、目の前で脅かされる名もなき人々を救う「小さな正義」のために泥臭く刃を振るう。
一方、帝都の秩序を守るため京都から下向した陰陽剣客・稲守葛葉。 白狐の霊力と黒鉄の鎧を纏う彼女は、国家と大義のための「大きな正義」を信じ、個人の情を捨てて怪異を冷徹に斬り捨てる。
目の前の命を拾い集める男と、国家の安寧のために切り捨てる女。 決して交わるはずのなかった二つの正義は、やがて東京から日本全国を巡る過酷な旅路の中で激突し、時代の歪みに呑まれた哀しき者たちの声を聞くことになる――。
文字数 70,586
最終更新日 2026.09.09
登録日 2026.08.29
同じデザイン会社で働く、憧れの先輩・水野凛。
クールで完璧、誰のことも踏み込ませない孤独な美しさを湛えた彼女に、私はずっと惹かれていた。
ひょんなことから始まった、二人きりの埼玉旅行。
東松山のやきとり、川越の風鈴、大宮の長い参道、そして雨の所沢。
旅を重ねるうちに、私は気づいていく。
凛さんが時折見せる、あの切ないほどの「自制」の意味。
私のことを名前で呼ぼうとして、喉元で言葉を飲み込む、彼女の孤独な横顔。
なぜ、先輩はそんなに悲しげな瞳で、私を名字で呼ぶんですか?
凛さんのその「心の壁」を、私の一歩で壊すことはできますか?
素直で無自覚な後輩・結衣と、自分の熱情を恐れる臆病な先輩・凛。
これは、二人の歩幅がゆっくり、ゆっくりと重なっていく、甘く切ない埼玉旅物語。
文字数 23,607
最終更新日 2026.07.07
登録日 2026.07.07
3
件