ふたりの散歩道
同じデザイン会社で働く、憧れの先輩・水野凛。
クールで完璧、誰のことも踏み込ませない孤独な美しさを湛えた彼女に、私はずっと惹かれていた。
ひょんなことから始まった、二人きりの埼玉旅行。
東松山のやきとり、川越の風鈴、大宮の長い参道、そして雨の所沢。
旅を重ねるうちに、私は気づいていく。
凛さんが時折見せる、あの切ないほどの「自制」の意味。
私のことを名前で呼ぼうとして、喉元で言葉を飲み込む、彼女の孤独な横顔。
なぜ、先輩はそんなに悲しげな瞳で、私を名字で呼ぶんですか?
凛さんのその「心の壁」を、私の一歩で壊すことはできますか?
素直で無自覚な後輩・結衣と、自分の熱情を恐れる臆病な先輩・凛。
これは、二人の歩幅がゆっくり、ゆっくりと重なっていく、甘く切ない埼玉旅物語。
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