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兄は、昔から“勝ち続ける人間”だった。
ゲームでも、喧嘩でも、テストでも、動画配信でも。 誰より強くて、誰より人気者だった。
けれど中学三年の夏、僕は知ってしまう。
兄が使っていたのは才能じゃない。 全部、“ズル”だった。
改造データ、違法ツール、他人の記録の盗用。 負けそうになれば仲間すら切り捨てる。
でも誰も信じない。 兄は人気者で、僕は「兄の七光りの弟」だから。
だから僕は決めた。
最弱のまま、兄を倒す。
友達も、才能も、自信もない。 あるのは、兄の嘘を誰より知っていることだけ。
これは、 ずっと負け続けてきた弟が、 “最強の偽物”を引きずり下ろすまでの物語。
文字数 20,547
最終更新日 2026.05.25
登録日 2026.05.14
世界には、空のはるか上に「天界」があると言われている。
人々は天使を、 優しくて、正しくて、誰でも平等に救ってくれる存在だと思っていた。
でも、本当は違った。
天使は感情を持たない。
泣かない。 怒らない。 迷わない。
ただ世界を管理するだけの存在だった。
辺境の村で暮らす少年・レインは、 そんな話を信じていなかった。
誰かを救うだとか、 守護だとか、 そんな都合のいいものが本当にあるなら、 昔、自分の村は見捨てられなかったはずだから。
そんなある夜。
空から、一人の天使が落ちてくる。
白い羽。 金色の瞳。
なのにそいつは、 天使らしさなんて欠片もなかった。
腹が減ったと騒ぎ、 勝手に家へ入り、 泣いて笑って、 どうでもいいことで怒る。
だけど――
その誰より人間らしい天使は、 世界でたった一人、 “感情を持ってしまった天使”だった。
これは、 感情を禁じられた天使と、 誰も信じなくなった少年の、 長い旅の話。
文字数 11,176
最終更新日 2026.05.20
登録日 2026.05.16
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