タフじゃなくても、ビジネスマン

「でもあなた、体力ないでしょ?」 気合と根性はあるけれど……ひょろひょろビジネスマンが評価されるには

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貴重な体力は”2割の核心”に費やす

その考え方を支えてくれたのが、「パレートの法則(80:20の法則)」でした。「パレートの法則」とは、成果の8割は全体の2割の重要な要素から生まれている。つまり、仕事には“本当に重要な2割”があり、そこを押さえることができれば成果は大きく変わるという考え方です。

私はこの考え方を営業時代に徹底的に活かしました。私はサラリーマン時代、ソフトバンクとIndeedに勤め、両社で営業部に在籍していました。いわゆる「体力おばけ」の優秀な営業マンが多くいました。しかし、そんな中私は最短で昇進したり、チームリーダーを務めたりと、我ながらそん色ない働きをしたと思います。

営業部は、資料作成や報告書、日報・週報など、細々とした仕事が本当に多いものです。でも一番重要なのは、お客様と実際に接する時間です。これこそが営業マンにとっての“2割の核心”です。私はこの2割に「気合と根性」をベットしました。

まず、電話営業の効率を極限まで高めるように工夫しました。周りの営業マンが1件電話するのに5分かけていたところを、私は電話を切った“5秒後”には、次の発信をしていました。業界ごとに話す内容をパターン化し、迷う時間をゼロにしました。たとえばタクシー業界であれば、平均年齢が高いこと、人材不足が深刻であることなどを最初から想定し、その悩みに刺さる話し方を事前に準備していました。100社あれば100社に、迷いなく連続で発信する。これにより、お客様と話す時間という“重要な2割”を圧倒的に増やすことができ、成果にも直結しました。もちろん、ここには“気合”は必要です。しかし、それは「必要なところにだけ使った気合」だったからこそ、体力を消耗しすぎずに成果を出すことができたのだと思います。このように働き方を工夫すれば、たとえ長時間労働をしたり、睡眠時間を削ったりせずとも、「気合のあるやつ」になれるのです。

体力おばけに負けない仕事術

世の中には、頭が切れて、体力があり、長時間働ける圧倒的な人材もいます。もしそういう人が本気で気合と根性を発揮して働けば、正直なところ私は勝てません。でも、それで良いのです。人にはそれぞれ生まれ持った体質があり、できることとできないことがあります。大事なのは、できないことに目を奪われるのではなく、自分の強みを最大限に活かすことです。

気合と根性は、確かに大切です。炎と鋼のように、困難を乗り越えるための力になります。しかしそれは、無理を続けるための道具ではありません。特に体力が弱い人は、気合と根性を使う場所を厳選する必要があります。自分の体を守り、重要な2割に集中し、効率と戦略を味方につける。これこそが、体力がない人でも成果を出せる方法だと私は感じています。

自分の体力や特性を理解し、気合と根性を“正しい場所”で発揮する。それができるようになれば、体力が弱い人も十分に成果を出すことができます。むしろ、無理に戦う必要のない戦いから降りることで、心と体に余白が生まれ、より自分らしく働くことができるのだと思います。

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プロフィール

秋山典男
秋山典男

コルクレド株式会社代表取締役。1990年東京都生まれ。学習院大学卒業後、ソフトバンク株式会社で法人営業や新規開拓プロジェクトに従事。その後、Indeed Japan株式会社で中小企業向け営業を担当し、最短で昇進、チームリーダーを務める。2020年に起業し、心臓病のある人の就労支援メディア「はとらく」を立ち上げた。自身も先天性心疾患の当事者であり、高校時代の部活動中の大けがで視力低下も経験。現在はNPO法人ハートキッズジャパン理事、埼玉県心臓病者友の会代表としても活動し、自身の経験をもとに、無理に強くならなくても前を向いて生きられる社会づくりに取り組んでいる。

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