タフじゃなくても、ビジネスマン

「でもあなた、体力ないでしょ?」 気合と根性はあるけれど……ひょろひょろビジネスマンが評価されるには

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ビジネスの成功は“体力”で決まる--。成功者の多くは「体力おばけ」であり、24時間365日働いても疲れない、そんなイメージがあるかもしれません。確かに、体力があれば長時間働くことができ、毎晩飲み会に顔を出して人脈を作れます、インプットもアウトプットも、トライ&エラーも、体力があればいくらでもできるでしょう。しかし、体力という身体的な能力は、生まれながらの体質が大きいものです。また、年を取るごとに体力は目減りしていきます。「体力ありき」で考えるのではなく、「タフじゃなくても」結果を出す方法を模索することが長く働き続けるコツではないでしょうか。一流企業のゴリゴリの営業部で結果を出し、現在は起業家として活躍する秋山さんは、じつは先天的な心臓病を抱え、学生時代の怪我が原因で、視力が低下しています。「タフじゃなくても」結果を出す、ビジネスマンの働き方、考え方を教えていただきます。

「気合と根性だけはあります!」だけでは負けてしまうわけ

仕事をする上で一番大切なものは何でしょうか? 成功したビジネスマンにそう尋ねると、「気合と根性」と答える人が多いのではないでしょうか。実際、筆者である私もこれまでの人生で、何度となくそう言われてきました。どんなに厳しい状況でも、最後は気合と根性で乗り切れ。耐えて、踏ん張って、諦めずにやり抜け──そんな価値観は、昔から根強く存在してきました。そしてその考え方には、確かに大きな真実が含まれています。

しかし、私は生まれつき心臓病があり、人より疲れやすい虚弱体質です。一般の人と同じだけの無理はできないし、睡眠を削った働き方も長く続けることができません。気合も根性も持っているつもりですが、体の限界だけはどうしても超えられない。無理の利かない体では、周囲に負けてしまうのではないか。生まれつき虚弱体質の私は、そこにずっと悩んでいました。

体力がある人は、多少無理をしても回復できます。睡眠時間を削って働くこともできる。極端に言えば、日々の睡眠が2~3時間でも走り続けられる人もいます。政治家や経営者にも、そんなタフな人は多いです。

しかしそれは、「気合と根性」があるだけでなく、加えて「体力」があるからできることです。体力のない人が同じことをやるとどうなるか。 答えは簡単で、体を壊します。しかも一度崩した体調を立て直すのには、体力がある人の数倍の時間がかかります。結果として、長い期間パフォーマンスが落ち、仕事の質も低下。これでは本末転倒です。だから私は、あるときから「気合と根性の正しい使い方」を意識するようになりました。

そもそも“気合”とは何でしょうか。 私にとっての気合とは、「よし、やるぞ!」と心のスイッチを入れる力です。魂の奥から炎が立ち上がるような、そんな熱い感覚があります。気合を入れる瞬間とは、心の中にある何かがバッと燃え上がり、体を前に押し出すような力が働く瞬間です。

では“根性”とは何か。根性は、最後まで諦めずに粘り強くやり抜く力だと私は思っています。どれだけ困難な状況でも、折れずに進み続ける。鋼のような硬さを持ち、何があっても屈しないぞ、という姿勢。私の中では、気合が炎なら、根性は鋼。炎と鋼、この二つが揃って初めて、人は困難を乗り越えられるのかもしれません。

体調を気遣って仕事を切り上げるとき、 「気合と根性が足りないのではないか」という思いもあります。しかし、気合とは無理をするためではなく、ここぞという場面で心のスイッチを入れるための力。 根性とは、長時間労働を続けることではなく、諦めずに粘り強く継続する力。

つまり体力のない私にとって、気合と根性は“常にフルスロットルに使うもの”ではなく、“必要な場面にだけ使うもの”なのです。

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プロフィール

秋山典男
秋山典男

コルクレド株式会社代表取締役。1990年東京都生まれ。学習院大学卒業後、ソフトバンク株式会社で法人営業や新規開拓プロジェクトに従事。その後、Indeed Japan株式会社で中小企業向け営業を担当し、最短で昇進、チームリーダーを務める。2020年に起業し、心臓病のある人の就労支援メディア「はとらく」を立ち上げた。自身も先天性心疾患の当事者であり、高校時代の部活動中の大けがで視力低下も経験。現在はNPO法人ハートキッズジャパン理事、埼玉県心臓病者友の会代表としても活動し、自身の経験をもとに、無理に強くならなくても前を向いて生きられる社会づくりに取り組んでいる。

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