もし、その俯瞰した遠い目で目の前にある問題やピンチを見ることができたら、それは心強いと思う。
慌てない、怒らない、不安にもならない。せいぜい「めんど……」くらいの感情で淡々と処理できるだろう。
ここでもう一つ、例を出そう。
今皆さんが財布から1,000円を落としたとする。
ちょっと高めのランチが食べられる程度の金額なので、いら立つこともあるだろうが考えてほしい。
一説によると、日本人の生涯年収は約2億3,000万円らしい。
今回落とした金額は、その0.00000435%である。果てしない小数点以下。たいしたことはない。
次からちょっと高めのランチを食べるときにも罪悪感が発生したらこう唱えよう、「サヨウナラ。私の0.00000435%……」。
周りから見たら「なんでこいつそんな小さなこと気にしてんだ……」である。
そう、小さなことなのである。
時間も、お金も、そしてそこに費やす感情さえも。
それはそうである、なぜなら「いや、そんなことより他に大変なことあるしな……」の心境である。そんなのにいちいち構ってられない。
なので、私は常に何かトラブルに見舞われた際は「おーおー。今年はコレですか……。毎年の風物詩ですね(微笑)」くらいの受け流しっぷりである。親戚にこんな感じで物事に動じないオバちゃんがどこにも一人はいる。あんな感じだ。
このように、実はメンタルを削られる出来事の大半は、短い期間に大規模なダメージが予想されることがほとんどなのだ。
それらは人生単位でみたら小さなことであり、その小さなことに悩みメンタルをすり減らすなど、言語道断である。
これを読んでいる皆さんにぜひ実践してもらいたいのは、問題やリスク、ピンチに相対したときに必ず、以下のように考えることだ。
・これ、私の人生単位で見るとどのくらい大事なのかな
・これ、会社や事業単位で見ると、そのくらい大事な作業なのかな
・これ、全体のどこらへんかな
・これ、全体からみてそんな大事かな
前半2つは自分へのプレッシャーや万が一のダメージを減らすことに繋がる。
後半2つは、そもそもの全体感の理解や重要性の把握に繋がる。
このように俯瞰で物事に向き合い「まあ確かにダメージあるけど、人生にはさほど影響ないな?」程度に、大きく図太く構えると目の前の出来事が矮小(わいしょう)化される。要は、目線を高くすることは目の前のダメージを小さくでき、メンタルを安定させることに繋がるのだ。
あのとき泣くほど惜しかった玉子、それも人生単位や俯瞰目線からしたら、たかが玉子。
どうか今後、あなたの身に何かトラブルが起きても、図太く、高く、広く構えてみてほしい。
それはきっと、あなたを焦りと絶望から解放する、最初の一手になるから。