あなたは、あなた。

他人に自分を否定されたとき、心を穏やかに保つ方法

2019.02.18 公式 あなたは、あなた。 第12回
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嫌な気持ちもあなたの一部

シチュエーションは十人十色ですが、誰にでも他人から自分を否定されたことがあると思います。そんなとき、嫌な気持ちにならない人などいないことでしょう。「意味が分からない」「頭にくる」「ムカつく」など、挙げれば切りがないほどの不平不満の心の声が刺々(とげとげ)しい言葉となって次から次へと心の中にうずまき、心中穏やかではいられないのが普通のはずです。

そんなときは、無理に自分の気持ちを抑えつけて平然といようとはせずに、人目の付かないところで隠れて嫌な気持ちに身を任せて発散して下さい。気の許せる仲間に相談するなり、愚痴を言うなり、その方法はさまざまでしょう。一人で抱え込んで我慢しようとすると、逆にストレスが溜まって辛さが増してしまいます。ストレスを溜めないように、あからさまに態度に出すのも問題なので、周囲に悪影響を与えないことを念頭において発散してあげて下さい。

しかし、ここで目を向けるべきところは、この嫌な気持ちをどうにかしたい、落ち着かせたいと思って悩むあなたの姿勢です。これはとっても素晴らしいことです。なぜならば、悩むということは、周囲のことを考え、今後いろいろなことに支障がでないように、どうにか気持ちの整理をしようと試行錯誤されている証拠だからです。これは、別の言い方をすれば、真摯に自分と向き合っているということです。

もうそんなにストイックになって、自分に負担をかけて、辛い思いをする必要はありません。

誰だって否定をされれば嫌な気持ちになります。そして、誰だってその嫌な気持ちをどこかにぶつけたり、発散しているものです。皆、上手にそれを他人には見えないように隠しているのです。それこそ、あなたがどうにかして自分の嫌な気持ちの整理をつけ、自分の外側へ出さないようにと必死になっているのと同じです。

普段の穏やかな気持ちもそうですが、穏やかではいられない気持ちもあなたの一部なのです。どうか、すべての自分の気持ちを大切に受け止めてあげて下さい。

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

1982年、山口県生まれ。僧侶でありながら講演や執筆、通訳や仏教家関係の書物の翻訳なども手掛け、活動の場を幅広く持つ僧侶。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。

ビジネスマンの悩みを仏教の観点から解決に導く著書『端楽(はたらく)』や、英語に訳せない日本語の奥深さを解いた『訳せない日本語』(ともにアルファポリス)が好評のほか、国内外を問わず仏教伝道活動を広く実践している。

著書

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