友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

三十路・無職・コミュ障で悩んだ末にたどり着いた「人生が楽しくなる」働き方

一つに頼りすぎない、私の働き方について

今回は、私の仕事の仕方について具体的に書きます。

無理はしないし、自分の能力を広げられるし、人生がちょっと楽しくなるという働き方なので、フリーの方に限らず会社に務めている方も、もし良かったら参考にしていただけたら幸いです。

私は仕事をする際に、以下の3つを大事にしています。

1)安定した収入源の確保
2)新しいことをやる
3)かけ合わせる

では、一つずつ解説します。

安定した収入源の確保

なぜ安定した収入源を確保する必要があるのか、それについては言うまでもないと思います。収入がないと生活できませんからね。

とはいえ、私のようにフリーランスをしていると、安定した収入源を維持するのは難しかったりします。安定に縛られて身動きが取れなくなることもあるので、あえて避けることもありますし。ただし、この安定した収入源、甘く考えるのは危険で、私は実際に痛い目にあいました。

私が会社を辞めて、無謀にも小説家を目指したことはすでに書きました。それで、三つの作品をすんなり生んだように書いたのですが、実はそんなに簡単じゃありませんでした。完全な無収入になったのは人生で初めてだったのですが、次第に執筆どころか日常生活さえうまくいかなくなったのです。

次の住む場所をどうしよう、貯金が尽きたらどうしよう、小説家になれなくて再就職もできなかったらどうしよう、もうすぐ30歳になって結婚もできなかったらどうしようと、どうしよう地獄をさまようばかりで、まったく小説に集中できませんでした。

それで、そういう状況になってみて気づきました。安定した収入源を失うと、心が不安定になってしまうと。お金が減っていくという感覚が、知らず知らずのうちに強いプレッシャーとなり、私の心をむしばんでいたのだと思います。

ちなみに、プレッシャーを受けていたほうが高いパフォーマンスを発揮できるタイプの人もいるそうです。自分を追い込んで逃げ道をなくしたほうが成果を上げやすいような人ですね。でも、私はまったく逆です。プレッシャーを感じると、いつもならできることができなくなります。

ともかく、安定した収入源が心に余裕をもたらしてくれるのは、どんな人にでも当てはまることかなと思います。プレッシャー下で成果を上げるタイプの人でも、それで心がすり減っているのは確かですから。なので、無理して追い込みたいという人以外は、やはり安定した収入源は確保しておいたほうが良いと感じます。

このように、心に余裕をもたせることを意識して働くというのは、会社に務めている方でも重要な考え方です。定期的に契約をくれる営業先だとか、安定して売れる商品だとか、そういったものを確保しておくのは、精神衛生上とても大事だと思います。心が健全でないと通常業務に支障が出ますし、新しいチャレンジもできませんからね。

新しいことをやる

安定した収入源を確保したうえで、次にやっておきたいのは、新しいことへの挑戦です。そう言われると、身構えてしまう人もいるかもしれませんが、そんなに大変なことではありません。私が実践している新しいことの多くは、いまやってる仕事の延長線上のものです。

エンジニアの開発系の仕事でいうと、未経験の言語、未経験のフレームワークを使った開発、未経験の役職などがそれにあたります。私がやってきたのは、Javaしか知らないくせに「お任せください!」と言って未経験のPHPやPythonの案件をやらせてもらうとか、これまでフロントしかやってこなかったけど、バックエンドに挑戦してみるとか。もしくは、開発者だったけどマネージメントに挑戦してみるとか。

もちろん、最初はそれなりに頑張らないとダメだし、うまくいかないこともあるのですが、やってできないことはない、というのも多いんですよね。そして、こんな感じでちょっと自分に負荷をかけて仕事をしていくと、筋トレすると筋肉がつくのと同じように、知見やスキルがレベルアップします。しかも、できることが増えるにつれ、新しいことをやる時の負荷はどんどん減っていきます。つまり、やればやるほど楽になります。

なぜかと言うと、この言語はあれと似てるな、とか、このフレームワークはあの案件でいうあの部分と同じだな、という具合で差分アップデートになるので、やればやるほどスキルアップのスピードが加速するんです。

今では、大抵のことは1ヶ月もあればキャッチアップできるようになりました。信頼関係もあり、未経験でもコイツなら任せられると評価され、お客さんから重宝されたりします。また、新しい技術を追っているので私自身が陳腐化しませんし、今の技術でこういうことはできないか、という相談に乗ることもできるようになりました。

さて、「新しいことをやる」にはもう一つあります。仕事の延長線上にある新しいことをやりつつ、まったく別のジャンルの新しいことも定期的に手を出すようにしているのです。

あまり頑張るとしんどくなるので、すごく些細なことです。例えば、普段は読まないような本を読んでみるとか、新しい趣味(デッサン、ピアノ、筋トレ.etc)を始めてみるとか、行ったことのない場所に行ってみるとか。

去年は、人狼が流行っていたのでボードゲームをやってみようと思い立ち、キャッシュフローゲーム会というのに参加しました。そのきっかけで、その場にいた人たちとの交流よりもむしろ不動産投資に強く興味を惹かれ、そこから不動産投資関連の本を読みあさり、今では不動産投資用の会社を作って新米大家としての仕事もしていたりします。

別に、最初から仕事につなげようとかアイデアをひらめきたいとか、下心があるわけではありません。趣味とか生きがいとかを血眼で探す、というのはなんだか違う気もしますし。たまには気分転換に、違うこともやってみよっかなーくらいのノリで始めます。

そのまま一回きりで終わってしまうこともたくさんあるし、不動産投資や、この記事の執筆のように、面白い仕事や出会いにつながることもあります。何がどうなるかなんてわからないのですが、年に数回でも、こういうお遊びを入れるようになってから、人生に退屈しなくなりました。

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プロフィール

末岐碧衣
末岐碧衣

コミュ障で友達0人のシステムエンジニア。早稲田大学理工学部卒業。新卒でITコンサルティング企業に入社したものの、コミュ障が爆発し、人間関係が崩壊する。うつにより休職した後は、コミュ障の自覚を持ち、チームプレイを避けて一人でできる仕事に専念するようになる。2015年フリーランスとして独立。一度も営業せず、独立前の年収3倍を達成。

著書

友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

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末岐碧衣 /
「コミュ障」で「友達が0人」という、社会にうまく適応できない著者が、多くの...
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