迷えるオトナ女子のための自分らしさのトリセツ

「やりたいこと」より「やりたくないこと」に注目すべし!逆算で自分の本音に気づく、簡単な方法

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不快の正体がわかれば、自分を守る壁が作れる

同じように、別のエピソードでモヤモヤを言語化してみましょう。

Kさんの言語化の例
「家族から電話がかかってきた。電話の用件は特別、何もない。ただ、ずっと愚痴を聞かされた。話を聞くうちに辛くなってきた。ちょうどそのころ、仕事もプライベートもうまくいっていなくて、心に余裕がないときだったから、自分も大変だった、ということを話そうとした。けれども、逆効果だった。”こっちはもっと大変なんだ”と話をすりかえられて、延々と話が終わることはなかった。思えば、子どものころからずっと自分は家族の愚痴を聞かされ続けてきた。子どものころから、家族の感情調整役をさせられてきたんだ。自立した後も、こうして電話で同じようなことが繰り返されたから、当時の嫌な感じがよみがえって辛かったんだ」

モヤモヤを言語化していくうちに、「あ、自分はここにひっかかっていたのか」と気づく瞬間があります。しかも、自分が発した言葉によって、自分自身が気づくのです。
Kさんは「学生時代、なんとなく実家の居心地が良くなくて家を出たけど、そうか、自分は家族の愚痴を聞かされるのが嫌だったんだ」と、家族と距離をとることで自分を守った経緯に気づいたのです。
そして、改めて家族との距離感を保つ必要性を確認することができました。
イヤな感情をただ憂さ晴らしするのではなく、なんとなくイヤだった理由が明確になり、どのようにすれば自分を守ることができるかを明確化することができたのです。

最初はなぜこんなにモヤモヤするのか、訳もなくイライラしてしまう、単なる感覚的な認識だったかもしれません。
しかし、このように誰かに話を聞いてもらったり、ノートに書きだしたりして言語化することにより、「そうだ。そうだった」と自分のモヤモヤの元に納得すると、自分が生きる上で大切にしたい価値観や方向性などが明確に見えてくるのです。言語化はとても大事ですね。

自分の人生の航路は自分で決めよう

とはいえ多くの場合は、なんとなくモヤモヤしたまま、日々食べたり飲んだりするうちに、気が紛れ、気持ちが落ち着いて日常を取り戻すものです。全く関係ない話題で友人と盛り上がったり、動画やゲームで憂さ晴らしたりする人も多いことでしょう。それもストレス発散方法のひとつです。

ただ、せっかく自分の「ホンネ」を知る機会を逃してしまうのももったいないことですよね。少し時間に余裕があるなら、是非自分のイライラやモヤモヤと向き合う時間を作ってみてください。そして言語化してみましょう。

あなたの人生はあなたのもの。
人生という航海を進めるには、時には燃料を補給し、情報収集する必要があります。自分が何を求めているのか、どうしたいのか、何をしたくないのか。あなたに必要なものは何なのか、あなたの感情が教えてくれることもあるのです。

そして、人に話を聞いてもらうときの注意点をひとつ。
人に相談すると、「こうしたらうまくいくよ」アドバイスをしてくれる人がいますね。あるいは、「君は〇〇タイプだよ」とカテゴリー化してくる人もいることでしょう。
だからといって人からの助言や断定を鵜呑みにしないこと。
だって人生の船の操縦士はあなたなのですから。決して舵を手放してはなりません。
自信がないからといって、他人に舵を預けてはいけないのです。

人に話を聞いてもらい、助言や意見は参考にしながら、自分の感覚を大切にしてください。あなたの感情は大切なことをあなたに知らせてくれています。
言語化し、自分で人生の航路を決めていきましょうね。

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プロフィール

高井祐子
高井祐子

神戸心理療法センター代表。公認心理師。臨床心理士。アンガーマネジメントファシリテーター。主に認知行動療法、マインドフルネスを用いて個人心理療法をおこなう。20年のカウンセラー歴を持ち、2025年4月までに、のべ15,602名と関わる。オンラインカウンセリングでは、日本全国のみならず海外からの相談に対応、グローバルに「こころの専門家」として活動している。著書に『認知行動療法で「なりたい自分」になる』(創元社)、『「自分の感情」の整えかた・切り替えかた』(大和出版)、『ラクに生きるための「心の地図」』(ナツメ社)などがある。

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