2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

前半戦のMVPは、マクガフと山田哲人!
「キャプテン山田哲人」の頼もしさ

2020シーズン、未曽有の事態に見舞われる中で、リーグ最下位という悔しい結果に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。今季は心機一転、投手陣の補強を最優先に掲げ、再起を誓う。
昨シーズンを踏まえ、「今年はさらに厳しくいく」と宣言する2年目の高津監督は、新戦力が加わった新たなスワローズをどのように変革し、リーグ制覇を目指していくのか。
本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、高津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

――東京五輪は山田(哲人)・村上(宗隆)両選手の大活躍もあり、見事金メダルに輝きました! そして、シーズンはいよいよ明日から後半戦再開となりますが、まずは前回に続いて「前半戦の総括」を伺いたいと思います。前半戦83試合を終えて、もっとも印象に残っている試合はどの試合でしょうか?

高津 特定の1試合ではないけど、開幕3連戦はすごく印象に残っていますね。正直言えば、ちょっと心が折れかけましたね(苦笑)。

――「開幕3連戦」とは、つまり3月26~28日、神宮球場で行われた対阪神タイガース3連戦ですね。ここでは阪神に3タテを食らってしまっています……。

高津 監督である僕が「ショック」という言葉を使ってはいけないのかもしれないけど、正直言ってショックは受けました。「オレたちの力はこんなものなのか……」という思いも頭をよぎりました。基本的には一つ一つの試合に一喜一憂しないようにしています。でも、あの3連戦に関しては、「開幕早々、ちょっとこのままじゃいかんぞ」という思いになりましたね。

――昨年、最下位に終わったからこそ、「今年は違うぞ」「今年はいけるぞ」と印象づけたいところだったのに、まさかの3連敗というのは、予想外であり、ショックも大きかったということですか?

高津 「このままではまた同じことの繰り返しになるぞ」という思いはありました。開幕3連戦は、すべて阪神に先制を許しました。いや、そもそも今年は前半戦で阪神と15試合戦っていて2試合しか先制できていません。毎回、負けるパターンが一緒なのは何とかしないといけないと思っています。

――開幕3連敗後、シーズン4試合目となる3月30日の横浜DeNAベイスターズ戦で今季初勝利を挙げたのは強く印象に残っているんじゃないですか?

高津 よく、野手の場合は「シーズン初安打が出てホッとする」とか、投手の場合は「ワンアウトを取って落ち着いた」と言うけど、ちょっと時間はかかったけど、今季初勝利を挙げて、少しだけホッとしたのは確かでしたね。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

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髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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