2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

村上選手に続き、奥川選手のブレイク
「若手を一軍で育てること」が根付きつつある

2020シーズン、未曽有の事態に見舞われる中で、リーグ最下位という悔しい結果に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。今季は心機一転、投手陣の補強を最優先に掲げ、再起を誓う。
昨シーズンを踏まえ、「今年はさらに厳しくいく」と宣言する2年目の高津監督は、新戦力が加わった新たなスワローズをどのように変革し、リーグ制覇を目指していくのか。
本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、高津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

――前半戦が終了しました。83試合42勝32敗9分で貯金10の3位。2位巨人とは0.5ゲーム差、首位阪神とは2.5ゲーム差と好位置につけています。まずは前半戦の総括をお願いいたします。

高津 ……うーん、どうですかね。非常に難しいですね。総評しなくちゃいけないけど、どう総評したらいいのかな……。

――難しいですか? 

高津 うーん、「満足しているか?」と聞かれれば、もちろん満足はしていないです。「100点か?」と聞かれれば、当然100点じゃないです。この連載で何度も言っているように、勝てる試合を落としたり、取れる点が取れなかったり、与えなくていい失点を与えてしまったことはたくさんありますから。ただ、昨年はできなかったことが少しずつできるようになってきたこと、打線のつながりが出てきたことは満足できますけどね。

――昨年はできなくて、今年はできるようになったこととはどんなことですか?

高津 細かい作戦は言えないですけど、いちばん変わったのはチームの雰囲気、ムードが格段に明るくなったことですかね。ベンチもクラブハウスも、すごく明るくて活気がありますね。どこを見ても笑顔で、気持ちのいい表情であふれています。もちろん、去年と比べれば結果がついてきているからだとは思うけど、みんなが前向きで勝利に向かって前進を続けている点は、確実に変わりましたね。

――6月後半に巨人、阪神を相手に4連敗を喫しましたが、それ以外はいわゆる「大型連敗」はありませんでしたね。その要因は何でしょうか?

高津 1つ、2つ負けても「次、頑張ろうよ」「次は勝とうよ」という雰囲気がチーム内にありますね。それは確実に去年までとは変わった部分だと思います。大型連敗がなかったのは、やっぱり先発投手陣の頑張りだと思います。2連敗になっても、誰かが連敗を止めてくれる。誰かがいい流れを持ってきてくれる。誰かが浮上のきっかけを作ってくれる。「特定の誰かが」というわけじゃなく、先発ローテーションを守っているメンバーそれぞれがいい責任感を発揮してくれました。先発投手陣の厚みも増したし、確かに去年よりはローテーションを組みやすくもなりました。この点も去年までには見られなかった点ですね。

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プロフィール

高津臣吾
高津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

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