2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

チーム全員が一丸となって必死に戦っている
だから「絶対に勝たせてあげたい」

「このままで終わるはずがない」の思いとともに

――監督ご自身は野村監督時代の92、93、95、97年、若松勉監督時代の01年と5回のリーグ優勝、4度の日本一を経験しています。毎回、興奮度、緊張感は違いましたか?

高津 間違いなく緊張はします。何度経験してみても、緊張度は「0」にはならないです。でも、経験を重ねるごとにほどよい緊張感になる。そんな感じでしたね。これは経験した者にしかわからないことかもしれないけど、前回の優勝経験者がいることは心強いですね。

――連戦が続き、心身ともに疲労度もピークにあると思います。残りの戦い方のイメージがあれば教えてください。

高津 投手のローテーション、選手の休養間隔、体調管理など、もう何パターンもプランは立ててあります。「こうなったら、こうしよう」「ああなったら、このプランでいこう」というのはホワイトボードにぎっしりと書いています。

――不測の事態に対応するための準備はもう万全だと。

高津 選手の故障や離脱はもちろん想定できないけど、そこも含めてイメージは立てています。何も起こらないに越したことはないけど、まぁ、何かは起こるでしょうね(苦笑)。このまま終わるはずがないと思って準備しています。

――現在の選手たちの様子はどうですか?

高津 みんな一生懸命、必死になってプレーしていますよ。そういう姿を見ると「絶対に勝たせてあげたいな」と思いますよね。僕も現役時代にそうだったけど、充実感もあって楽しみな半面、終盤になるにつれて重圧も増してくる。この機会に、いろいろな経験を積んでほしいと思いますね。

――では最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。

高津 去年、一昨年と、ファンの方には本当に悔しい思いをさせてしまいました。それは、僕の心の中にずっと残っています。だからこそ、ファンの方には気持ちが晴れるような思いを味わってもらいたいとずっと思っています。僕らもそうですけど、ファンの方も、シーズン終盤にこういう気分でスワローズを応燕するのは久しぶりのことだと思います。その「今」という時期を存分に楽しんでほしいです。

――ここ数年の鬱屈した思いを晴らすべく、ファンの人たちも全力で応燕していると思います。

高津 僕らは「楽しむ」ということはなかなかできないけど、毎日幸せを感じつつ、ワクワクドキドキ戦っています。重圧はあっても、競って競って戦うペナントレースはすごく面白いですよね。同じ結果だとしたら、ぶっちぎりで勝つよりも最後まで競った上での優勝の方が喜びも大きいじゃないですか。僕らにはそんな余裕はないけど、ファンの方は最後までペナントの行方を楽しんでほしいですね。

 

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プロフィール

高津臣吾
高津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

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