日本企業で「脱オラクル」加速…高額ライセンスとロックインへの懸念が背景

3 経営判断としての位置付け
データベース移行は単なるITコスト削減ではない。ベンダーとのパワーバランスを再構築する経営戦略の一環である。

 大手SIerの幹部は次のように語る。

「データベースは企業システムの“心臓部”です。そこをどのベンダーに依存するのかは、単なる技術選定ではなく経営判断です。今、日本企業は初めてその問題に真正面から向き合い始めています」

 1990年代、オラクルDBは企業ITに安定と信頼をもたらした。しかしクラウドとオープンソースの時代において、その価値の意味は変わりつつある。企業が求めるのは、特定ベンダーに縛られない柔軟なIT基盤だ。

 データの主導権を企業自身が握り、ビジネス環境の変化に迅速に対応する。そのためには、システムの自由度を高めることが不可欠である。

「脱オラクル」は単なるITトレンドではない。それは、企業がITインフラの主導権を取り戻すための構造的な転換なのである。そしてこの流れは、日本企業のDXの進み方を大きく左右する重要な分岐点となる可能性が高い。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=小平貴裕/ITジャーナリスト)