ゲオHD、7カ国目・カンボジア進出…なぜセカンドストリートは世界で伸びているのか

2027年カンボジア出店の先にある課題

 もっとも、ゲオHDの経営陣自身は、今後についてやや慎重な見通しを示している点も見逃せない。2027年3月期の業績予想では、営業利益は130億円(前期比8.7%減)、純利益は60億円(同31.3%減)と、増益基調に一服感を織り込んでいる。海外出店には現地の物件取得コストや人材育成コスト、初期の店舗運営の非効率さがつきものであり、急拡大の裏側にある投資負担を考慮した保守的な予想とみられる。

 競合各社も海外進出を強めている点も無視できない。ブックオフグループホールディングスはマレーシアで「Jalan Jalan Japan」を展開し、近年はカザフスタンにも出店するなど新興市場の開拓を進めている。ハードオフコーポレーションも海外事業強化に向けた専任部署を設け、パートナー企業の選定を重視しながら1,000店舗体制を目指す方針を掲げている。リユース業界全体が「国内で買い、世界で売る」という発想に本格的に舵を切りつつある中、ゲオが優位を保ち続けられるかは、現地物流網の構築や模倣品対策、現地採用スタッフの育成といった、地道なオペレーション面の巧拙にかかってくるだろう。

 人口減少と国内市場の成熟が避けられない日本において、「レンタルからリユースへ」という事業転換に成功し、さらにそのノウハウを海外市場向けの成長エンジンへと発展させたゲオHDのモデルは、他業種の企業にとっても示唆に富む。主力事業の寿命が尽きかけたとき、何を捨て、何を残し、どう転用するか。セカンドリテイリングへの社名変更を控えた同社の歩みは、その一つの解答例として、しばらく注目を集め続けることになりそうだ。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=高野輝/戦略コンサルタント)

【主な参照データ・出典】
セカンドストリートやゲオを運営する株式会社ゲオホールディングスが「株式会社セカンドリテイリング」に社名変更(PR TIMES)
アセアン:ゲオHDがカンボジアに子会社、古着店を展開へ(亜州ビジネス)
中古品販売ゲオが子会社設立、1号店出店へ(NNA ASIA)
ゲオグループ2026年4月新規出店のお知らせ
ゲオHD 決算/3月期増収増益、国内外のセカンドストリートが好調(流通ニュース)
ゲオHD 決算/4~12月増収増益、国内外で出店強化(流通ニュース)
ゲオ傘下のセカンドストリートが海外で急成長(Business Insider Japan)
セカンドストリート、国内外1,000店舗突破!(PR TIMES)
ゲオとの合併、コロナ禍や海外進出の苦戦…セカンドストリートが世界1000店舗を達成したビジネス戦略とは(GOETHE)
5年で閉店は500超!TSUTAYA運営会社のもがき(東洋経済オンライン)
すてない社会を実現する「Jalan Jalan Japan」マレー半島の東海岸へ初出店(ブックオフグループHD)
海外事業強化へ専門部署 ハードオフ、目標1000店へ パートナー選定重視(日本経済新聞)