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従弟に毒殺された小国の女王ネイシャは、目を覚ますと帝国の第二皇妃の幼い娘・ミレアの体に入っていた。
ネイシャは体の持ち主の記憶を辿り、ミレアが周囲の者から「欠陥皇女」と蔑まれていることを知る。
いつか本物のミレアが帰って来た時のため、ネイシャは頭が悪い皇女のふりをすることにした。
無能な部下の尻拭いもなく、仕事に追われない日々。
欠陥皇女としての毎日を楽しんでいた彼女だが、ある日、ミレアの生活が第一皇妃に脅かされていることが判明する。
第一皇妃に対抗するため、ネイシャは欠陥皇女を装いながら皇帝の手を借りることに成功したが――
「わざとか?」
「えっと、わざとって……どういうことでしょうか」
「無駄なことを聞いたな」
周囲の関心も疑念も煙に巻き、闇へと葬る。
全ては彼女の手のひらの上であることに、誰もが気づかない。
文字数 22,543
最終更新日 2025.12.14
登録日 2025.12.06
一年前の10月25日、飼っていた猫のツナが亡くなった。
15年という長くも短い日々をともに過ごしたとある家族は、ツナがくれたたくさんの幸せな日々を思い出す。
文字数 69,229
最終更新日 2025.12.08
登録日 2025.11.07
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
文字数 350,789
最終更新日 2025.09.05
登録日 2025.02.04
【第8回 ほっこり・じんわり大賞 奨励賞】を頂きました。
お読みくださった方々、審査に関わってくださった皆様、本当にありがとうございました!
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持田真緒(もちだ まお)は新卒から2年勤めた会社を辞めた後、唯一の味方だと思っていた友人とすれ違ってしまう。
都会の喧騒から離れ、悩みを抱えたまま奈良に帰省すると、とあるカフェで鹿の顔をした男が隣の席に座ってきた。
周囲の人は全く鹿男を気にしていない様子で、どうやら彼の顔が鹿に見えているのは自分だけのようだった。
「……ほんまに覚えてないんやな」
さらに、その男は真緒とは旧友の仲であると主張してきたが、真緒には彼に関する記憶が一切なかった。
彼の顔が鹿に見えること、そして記憶が失われていること、この二つの謎を解き明かすため、真緒は金森啓太(かなもり けいた)と名乗った鹿男と行動を共にすることになるが――。
文字数 113,419
最終更新日 2025.06.08
登録日 2025.04.30
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