偽物の聖剣を暴いて婚約破棄されましたが、辺境公爵の剣が私を殺せと囁いています
物に残された強い感情を「声」として聞き取れる伯爵令嬢エルネスタは、王家専属の鑑定士として、新たな聖女が持つ聖剣を調べることになった。
しかし、聖剣から聞こえたのは神聖な祈りではない。
『本物に見えさえすればいい』
エルネスタは、聖剣が偽物であると報告する。
ところが婚約者である王太子は、最初からその事実を知っていた。
民衆の希望となった聖女を守るため、鑑定を誤ったことにされたエルネスタは、王家専属鑑定士の地位と婚約を同時に失う。
「君なら、国のためだと理解してくれると思っていた」
王太子にも、彼女を迎えに来た恩師にも、エルネスタがどうしたいのかを尋ねる者はいなかった。
用意された居場所へ戻ることを初めて拒んだ彼女は、戦場から持ち帰られた武器を調べるため、北の辺境へ向かう。
依頼主は、戦争を終結へ導いた英雄ギルベルト公爵。
だが、彼が亡き兄から受け継いだ剣へ触れた瞬間、エルネスタは自分の名を聞く。
『エルネスタを殺せ』
エルネスタは剣の声を信じ、公爵を疑う。
ギルベルトは、剣の声と自分の意思は別だと言う。
物は嘘をつかない。
けれど、物に残された声が真実を語るとは限らない。
人よりも物を信じてきた鑑定令嬢が、初めて相手本人の言葉を聞き、自分の意思で居場所と未来を選ぶ恋愛ファンタジー。
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