国を救う聖女でしたが、あなた一人の花嫁になりたかった
王都を魔物から守る結界の核として、十九年。
聖女エルシアは城の外に出たことがない。眠る時刻も、食べるものも、着るものも、祈る回数も決まっている。王太子との婚礼の日取りも、衣装の色も、他人が決めた。
誰も彼女を憎んでいない。むしろ皆が彼女を愛している。だからこそ、誰も彼女を外へ出さない。
ある夜、眠れずに歩いていた回廊の奥で、見たことのない階段を見つけた。
その先の地下牢にいたのは、滅んだ国の最後の王だった。
「おまえは何が好きだ」
十九年、誰にも訊かれたことのない質問だった。
二十日後に処刑される男との、誰にも知られない夜が始まる
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ある夜、眠れずに歩いていた回廊の奥で、見たことのない階段を見つけた。
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