「有能すぎて可愛くない」と婚約破棄された公爵令嬢ですが、隣国の皇子に求婚されました
「アイリス・フォン・アシュラム! 貴様との婚約を、今この場で破棄する!」
卒業パーティーで、エリオット王子が高らかに叫びました。
隣には、いかにも守ってあげたくなるような、ふわふわした雰囲気の男爵令嬢が寄り添っています。
誰もがアイリスの絶望を予想し、気の毒そうに目を伏せました。
しかし、アイリスの心の中は、打ち上げ花火が連発しているようなお祭り騒ぎでした。
(きたぁぁぁーーー!! ついに、ついにこの日が来たのね!!)
五歳から始まった、地獄の王妃教育。
分厚い教科書の暗記、寝る間も惜しんでの公務、そして何より、自分よりちょっと……いえ、かなり頭の回転が遅い王子の顔を立てるために、わざとテストで間違えたり、彼の失敗を裏でこっそり片付けたりする虚しい日々……。
「……殿下。本気で、仰っているのですか?」
アイリスは、声を震わせました。
嬉しすぎて、うっかり声が裏返りそうだったからです。
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