ふさわしき鬣犬
まえがき
「あなたはふさわしくない」
ある人はそう言った。それと同時に、発砲音が鳴り響いた。人が一人殺されてしまった。しかし、その人には確信があった。「殺された人は必ず見つからない」と。なぜならその人は、未解決事件の常習犯だからである。ー
私が今日に至るまでに殺した人、そして未解決事件の数は共に十三を超える。だが私は、まだ満足していない。それに、満足してはいけない数字だ。確かに常人にとって、十三という数は中々の数字に見えるかもしれない。たがしかし、常習犯であり元スパイでもある私にとっての十三は、まだ序章に過ぎない。なぜなら、私がスパイになるまでに考えていた計画には、まだ程遠いからだ。
二〇〇〇年✕✕月・・・
「何度いえば分かるんだ!!!」
「すいません、すぐに提出します」
「もうその台詞には飽きたよ!」「この期に及んでまだというのは何事だ!!!」・・・
はぁ〜、やっとあのバカ上司の激昴を聞き終えた。四時間にも及んだ。そんな時間があったら企画書提出できたのに。
このまま飛び降りたい。駅のホームで電車を待っている私はそう思ってしまった。だがいかんせん、私には勇気がない。断念せざるを得なかった。そんな時、私はある一人の男に出会った。と同時に、私に話しかけてきた。
「君は今疲れているだろ」私の心情が悟られたので咄嗟に「はい」と返事をしてしまった。
「今の会社、今の上司に不安しかないだろ」あまりにも悟られすぎたので思わず、
「あなたは誰ですか」と聞いた。
すると「わたしはただの占い師だ」しかし、「だが一応、元スパイでもある」と続けて言った。
嘘だろ。こんな形で元スパイに会うとは、どういう言葉で言い表せるのか分からなくなった。一応「本当なのですか」と聞いてみた。「疑っているのか」と言われ、怖くなったので「いや、決して疑っているという訳ではなく・・・」「別にいいんだ、信じ難いのは承知している。でもあなたにはきっと、ほかの道があると思っただけなんだ」と言いながら、私に連絡先を渡して去ってしまった。
この気持ちはなんだろう。会って十分ほどしか経ってないのに、なんだか見放された気分になってしまった。あの人には、なにか私を引き込むような言動力があるように思えた。
私は、あの占い師が気になって仕方なかった。
「あなたはふさわしくない」
ある人はそう言った。それと同時に、発砲音が鳴り響いた。人が一人殺されてしまった。しかし、その人には確信があった。「殺された人は必ず見つからない」と。なぜならその人は、未解決事件の常習犯だからである。ー
私が今日に至るまでに殺した人、そして未解決事件の数は共に十三を超える。だが私は、まだ満足していない。それに、満足してはいけない数字だ。確かに常人にとって、十三という数は中々の数字に見えるかもしれない。たがしかし、常習犯であり元スパイでもある私にとっての十三は、まだ序章に過ぎない。なぜなら、私がスパイになるまでに考えていた計画には、まだ程遠いからだ。
二〇〇〇年✕✕月・・・
「何度いえば分かるんだ!!!」
「すいません、すぐに提出します」
「もうその台詞には飽きたよ!」「この期に及んでまだというのは何事だ!!!」・・・
はぁ〜、やっとあのバカ上司の激昴を聞き終えた。四時間にも及んだ。そんな時間があったら企画書提出できたのに。
このまま飛び降りたい。駅のホームで電車を待っている私はそう思ってしまった。だがいかんせん、私には勇気がない。断念せざるを得なかった。そんな時、私はある一人の男に出会った。と同時に、私に話しかけてきた。
「君は今疲れているだろ」私の心情が悟られたので咄嗟に「はい」と返事をしてしまった。
「今の会社、今の上司に不安しかないだろ」あまりにも悟られすぎたので思わず、
「あなたは誰ですか」と聞いた。
すると「わたしはただの占い師だ」しかし、「だが一応、元スパイでもある」と続けて言った。
嘘だろ。こんな形で元スパイに会うとは、どういう言葉で言い表せるのか分からなくなった。一応「本当なのですか」と聞いてみた。「疑っているのか」と言われ、怖くなったので「いや、決して疑っているという訳ではなく・・・」「別にいいんだ、信じ難いのは承知している。でもあなたにはきっと、ほかの道があると思っただけなんだ」と言いながら、私に連絡先を渡して去ってしまった。
この気持ちはなんだろう。会って十分ほどしか経ってないのに、なんだか見放された気分になってしまった。あの人には、なにか私を引き込むような言動力があるように思えた。
私は、あの占い師が気になって仕方なかった。
あなたにおすすめの小説
「君を愛することはない」と毎日言われたので、離縁の日だけは聞きに行きませんでした
「君を愛することはない」 夫にそう言われながら、セシリアは一年間、二人分の夕食を用意して待ち続けた。 けれど、婚姻を継続するか決める前夜、夫は最後の約束まで破り、幼なじみと観劇へ出かけてしまう。
翌朝、セシリアは夫の書斎を訪ねず、不更新届を提出した。 慌てて差し出された更新証書にも、もう署名はしない。
私を待たせたあなたを、これ以上待つつもりはありません。 冷遇された妻が離縁を選び、自分の暮らしと新しい恋を手にする。
婚約解消の代償。どうしてもう少し早く言ってくれなかったのですか?
シオン・グランドル公爵令嬢はこの国の王太子の婚約者であり、未来の王妃である。
事件は定期的に行われる婚約者同士のお茶会で発生した。
それは、王太子から婚約の解消の申し出だった。
「すまない。君に落ち度はない。充分なお詫びをする」
「・・・どうしてもう少し早く言ってくださらなかったのですか?」
えっ?
こうして国を騒がせる騒動と発展する。
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
王子様への置き手紙
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】どうかその想いが実りますように
婚約者が私ではない別の女性を愛しているのは知っている。お互い恋愛感情はないけど信頼関係は築けていると思っていたのは私の独りよがりだったみたい。
学園では『愛し合う恋人の仲を引き裂くお飾りの婚約者』と陰で言われているのは分かってる。
いつまでも貴方を私に縛り付けていては可哀想だわ、だから私から貴方を解放します。
貴方のその想いが実りますように……
もう私には願う事しかできないから。
※ざまぁは薄味となっております。(当社比)もしかしたらざまぁですらないかもしれません。汗
お読みいただく際ご注意くださいませ。
※完結保証。全10話+番外編1話です。
※番外編2話追加しました。
※こちらの作品は「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。
【短編】もう、どうでもよくなったので
伯爵令嬢のレイチェルは婚約者のレオルドと長年不仲だった。
理由は簡単で彼が生徒会長であるアリアナ王女に対し日も夜もなく焦がれ続けているからだ。
将来彼女の護衛騎士を目指す彼は、レイチェルと二人でいる時も王女に夢中だった。それは恋では無いらしいが、だからといって許容できるわけではない。
婚約者である自分のことも大切にして欲しい、そうレイチェルはレオルドに訴え続けたが彼が頷くことは無かった。だからこそ不仲だったのだ。
けれど最近のレイチェルは機嫌がよく、レオルドと喧嘩することも無い。
レオルドもそんな婚約者に満足げだった。
だから口にした「いつもこうならお前と結婚しても上手くやれそうだ」
レイチェルはにこやかに答えた「そんな未来はございませんわ」
「先に寝ていていい」と言われたので、夫の帰りを待つのをやめました
王宮勤めの夫は、帰宅が遅い。
私はいつも居間で本を読みながら夫を待ち、帰ってきた彼と少しだけ話をしてから眠る。それが、いつの間にか毎日の習慣になっていた。
けれど、ある晩、
「君まで付き合う必要はない。先に寝ていていい」
夫にそう言われた。
確かに、私が起きて待っている必要などない。食事も湯も、使用人たちがきちんと用意してくれる。
だから、その日から私は夫の言葉どおり、先に休むことにした。
ただそれだけのことだったはずなのに、夫の様子が少しずつおかしくなっていく。
ログインすると感想の投稿ができます。