婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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主気分になってみよう!(ノエル)

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「おきてにゃ!」

ユサユサと体を揺さぶってくるノエル。

「おきてにゃ……」

ん?ノエルの声がちょっと……

「おきてにゃーん!おきてにゃーん!おきてにゃ-!」

半泣きです。起きないと泣きっぱなしです。

「おきたにゃ……なんでスグおきてくれないにゃ……?」

ウルウルのまん丸お目々で見つめてきます。
キュッとパジャマを掴む前足が丸くなってて可愛い。

「スグおきてにゃ!」

小さく叫ぶと胸元にグリグリと頭を擦り付けてくる。

「スキにゃっ!スキにゃっ!ご主人スキにゃっ!」

グリグリは一切止まらない。

「ゴメン、ゴメン。ちょっと、痛いよ。」

バッと頭を離します。

「いたいにゃ?まだ、いたいにゃ?もう、へいきにゃ?グリグリしたらいたいにゃ?」

矢継ぎ早です。

「もう、痛くないよ。平気だよ。」

「またグリグリしてもいいにゃ?にゃ?」

「いいよ。」

「うれしいにゃーん!スキにゃっ!ご主人スキにゃっ!」

またグリグリしてきました。今度は抱き付いて顔グリグリです。
…………際限がありません。

「お終い。」

ピタッとグリグリが止まりました。

「おしまい……おしまいいやにゃ!いやにゃ!」

ビッタリ抱き付いて離れません。
言うこと聞かないので、立ち上がります。
ずり落ちそうなんで、このまま抱っこで移動します。

「ご主人とはなれたくないにゃ……おるすばんはさみしいにゃ……」

頭も背中も撫でて、ご機嫌を取る。
クルルルと喉を鳴らすノエル。
お留守番ヨロシクとソファに降ろす。

「しかたないにゃ!はやくかえってくるにゃ!」

そう叫ぶノエルの尻尾は不機嫌丸出しでブンブン振ってました。





扉を開けた瞬間、走って飛び込んできました。

「まってたにゃ!まってたにゃ!ずっとまってたにゃ!」

胸元を両前足でギュッと掴んで離れまいとしてます。
ずり落ちないように抱っこすると、スンスンとあちこちの匂いを嗅いできます。

「おそとのニオイがするにゃ!いろんなニオイがするにゃ!」

グイと体を伸ばしサリサリと頬を舐めてくる。

「つめたいにゃ!おそとはさむかったにゃ?」

ヨジヨジと登って来たかと思ったら、首に両前足を回して頬に頬ずりしてきます。

「ご主人をあっためるにゃ……ダイスキにゃ………ご主人…………」

どうやら、首に抱き付いたまま寝たようです。
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